今日は、私にとって、月に一度の、定例の骨董市の日でした。
流石に、12月も中旬ともなりましたので寒くなりました(><)
それで、なかなか出発する気になれず、やっと、朝8時半頃になって出発です。
寒くなったせいもあってか、出店者数は何時もよりも少なく、また、来客数も何時もよりも少なかったようです。
そして、何よりも、展示されている品物ですが、相変わらずのガラクタのようなものが多く、私の狙っている古伊万里などほとんど見かけません。
それでも、せっかく寒い中を押して来たことでもありますので、何かないかな~と探していましたら、江戸後期のまぁまぁな小皿(伊万里 染付 捻り文 小皿)に目が留まりました。そこで、「これ幾らですか?」と聞きましたら、「お客さん、これには疵があるんですよ!」との返答です。
でも、ちょっと見には疵が分からないほどなんですよね。よ~く見ますと、全体に貫入が多く入り、中には何本かニューになっているところが見られるんです。それで、「このニューが疵ですか」と聞きましたら、「そうです」との回答でした。
私が、「これくらいの疵なら、疵があってもいいですよ。幾らですか」と聞きましたら、「300円です」とのこと、、、。
この程度の疵物が300円ならば安いと思いましたので、さっそく購入した次第です。
その疵物の小皿というものは次にようなものです。
伊万里 染付 捻り文 小皿
表面
中央から少し上の部分の拡大
摺り疵があります。店主は、この摺り疵も疵に含ませていたのかもしれません?
左側斜め上方の口縁周辺の拡大
貫入やニューが見られます。
左側斜め下方の口縁周辺の拡大
貫入やニューが見られます。
右側斜め上方の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
右側中央付近部の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
下方部の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
側面
裏面
高台内銘:元
裏面左側部の拡大
貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。
裏面右側部の拡大
貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。
斜め上方から見た裏面
高台内銘:元
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代後期(1800~1840年代)
佐賀県立九州陶磁文化館発行の「柴田コレクションⅣ」の「論考」に依れば、高台内銘の「元」は、1800~1840年代に使用されたとされています。
サ イ ズ : 口径14.0cm 高さ3.8cm 底径7.8cm
なお、この小皿は、ちょっと汚れが酷かったものですから、漂白剤の中に3時間ほど漬けておきました。その結果、それほど綺麗にはならず、ニューに入り込んだ汚れまでは消えませんでした。結果的に、この小皿の疵らしい疵は、裏面にまで達した2本のニューだったようです。
次に、漂白後のこの小皿の写真を次に紹介いたします。
伊万里 染付 捻り文 小皿(漂白後)
表面
中央から少し上の部分の拡大
摺り疵があります。店主は、この摺り疵も疵に含ませていたのかもしれません?
左側斜め上方の口縁周辺の拡大
貫入やニューが見られます。
貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。
左側斜め下方の口縁周辺の拡大
貫入やニューが見られます。
貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。
右側斜め上方の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。
右側中央付近部の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。
下方部の口縁周辺の拡大
貫入が見られます。
貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。
側面
裏面
高台内銘:元
裏面左側部の拡大
貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。
貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。
裏面右側部の拡大
貫入や裏面にまで達しているニュー(写真の中央部)が見られます。
貫入やニューの汚れが少しは薄まったでしょうか。
斜め上方から見た裏面
高台内銘:元
貫入の汚れが少しは薄まったでしょうか。
次に、上の小皿を新聞紙に包んでもらっている間に、その辺を眺めていましたら、もう1点、江戸後期のまぁまぁな小皿(くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿)に目が留まりました。
どうせなら、安いならば、これもついでに買って帰ろうかなと思い、「これ幾らですか?」と聞いてみましたら、「2,000円です」ということでしたので、ついでに買って連れ帰りました。
その「くらわんか手」の小皿というものは、次のようなものです。
くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿
表面
値段を記したような古いラベルが貼ってありました。
古いラベル部の拡大
「¥6000」と書かれているように見えます?
以前は、この手のものも「古伊万里」とされていましたが、現在は、研究が進み、波佐見諸窯で作られた「くらわんか手」とされ、「古伊万里」よりは安くなっています。
これが「古伊万里」とされていた頃に貼られたラベルなのでしょう。その頃は、結構な値段で売られていましたから、多分、この小皿は、以前は「6,000円」で売られていたのだろうと思います。
今は、古伊万里全般の値段が安くなってしまいましたし、ましてや、この「くらわん手」は更に安くなったわけですけれど、「まっ、2,000円なら、いいか!」と思って買ったわけです。
側面
裏面
高台内銘:一重角渦福
斜め上方から見た裏面
高台内銘:一重角渦福
生 産 地 : 肥前・波佐見諸窯
製作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ : 口径13.9cm 高さ4.2cm 底径7.5cm
なお、この小皿も汚れが酷かったものですから、これも、ついでに、上記の「伊万里 染付 捻り文 小皿」と一緒に、3時間ほど、漂白剤の中に漬けておきました。
それほど綺麗にはなりませんでしたが、漂白後のこの小皿の写真は次のとおりです。
くらわん手 染付 萩唐草文 輪花形小皿(漂白後)
表面
古いラベルは剥がれました。
側面
裏面
高台内銘:一重角渦福
斜め上方から見た裏面
高台内銘:一重角渦福
付記 : この「くらわんか手 染付 萩唐草文 輪花形小皿」は、分厚く作られ、手取りもズシリと重く、頑丈そのものに作られていますから、投げ捨てられても割れないような作りなものですので、当然無疵のものとばかりに思い込んでいました。
そして、それは、漂白後まで、そのように思っていました。ところが、こうしてブログを書いている段階になって初めて、この小皿には疵があることに気付いたのです(><)
口縁の一部にソゲ疵があり、そこを銀で補修されていたのです。その部分は、テッキリ、呉須が垂れた痕だとばかりに思いこんでいたのです(><)
疵物だったなら、2,000円は高かったのかな~と反省しております。
まっ、もっとも、金額的に嘆き悲しむほどのことではないのですが(笑)、ここに至るまで発見出来なかった、自分の視力の低下と注意力の散漫さに嘆き悲しんでいるわけです(><)
銀繕いされた、口縁の一部のソゲ疵
銀繕いされたソゲ疵補修部分の拡大
私も、このように、クッキリ、しっかりと書かれた「元」銘は初めてみました。珍しいですよね。
くらわんか手の小皿は、くらわんか手の中では上手に属するのかもしれませんね(^_^)
これも、2,000円では安かったかなとほくそ笑んだのですが、馬脚を現わしました(~_~;)
この小皿も、それまでは、「安く買えた!」と、ルンルン気分だったのですが、途端に、シュンとなってしまいました(><)
昨夜、このブログを書いていて、最後の頃に疵があることに気付き、慌てて疵の部分の写真を撮って載せたところです。
夜撮った不鮮明な写真でしたので、今朝、その部分の写真を撮り直し、差し替えました。
これ、漂白したら、ニューがあるのかどうか分からなくなりました(~_~;) 貫入が多く、また、何本かの貫入が大きく深いので、それがニューに見えるのかもしれません、、?
この小皿、指で弾いてみますと、甘手でもなさそうなんですね。貫入が多いので、少し鈍い音になるのかもしれません。
いろいろ考えてみますと、この小皿、300円は非常に安かったように思います(^-^*)
くらわんかの皿の「角福」は、普通、もっと崩れて、何が書かれているのか分からないようなものが多いですよね。
その点、この小皿は、「くらわんか」の中では上手なのかもしれませんね。表面の文様も丁寧に描かれていて、有田産の古伊万里と遜色がありませんものね。
2,000円では安かったかなと思ったのですが、疵物でしたね。それに気付かなかったのが残念です(~_~;) 疵物なら、そんな値段でしょうね、、、。
ましてやこの皿は、中央の花びらが墨弾きになっていて、小皿ながら憎い演出です(^.^) 「元」銘も珍しいですね。
くらわんかの方も、花唐草、松竹梅、中央の花弁(摺?)、渦福など、伊万里のいいとこどり満載で、波佐見のバイタリティを感じます。漂泊でキレイになって化粧埋めがバレタのは御愛嬌(^.^)
くらわんかの皿の「角福」のキッチリと書かれた銘も珍しいのでしょうか?・・大抵は崩れすぎて何が書かれているのか分からないモノが多い気がします。