Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

金襴手 花束文 大皿(大鉢?)

2023年12月21日 19時39分54秒 | 古伊万里

 今回は、昨日の古美術品交換会で競り落としてきた「金襴手 花束文 大皿(大鉢?)」の紹介です。

 最近では、古伊万里の人気が無いようです。特に、大きな物は、飾ったり保管したりするためのスペースを必要とするためか、殊更に人気がないようです。江戸後期の大皿などは、その顕著な例でしょうか。

 私は、もともと、江戸後期のものにそれほど興味がなかったことに加え、最近では、やはり、大きな物は、保管するためのスペースに困るので、江戸後期の大きな物は極力買わないようにしていたところです。

 ところが、昨日は、上手の、なかなか見所のある大皿(かなりの深みがありますので大鉢としたほうがいいのかもしれませんが、、)が登場してきましたので、ついつい、競り落としてしまいました(~_~;) ホント、これからの保管に困るんですよね(~_~;)

 ということで、昨日、手に入れました「金襴手 花束文 大皿(大鉢?)」というものは、次のようなものです。

 

 

金襴手 花束文 大皿(大鉢?)

 

立面の正面(仮定)

牡丹が描かれた面

 

 

立面の正面から右に120度回転させた立面

菊が描かれた面

 

 

立面の正面から左に120度回転させた立面

紫陽花が描かれた面

 

 

見込み面

 

 

 この大皿(大鉢?)は、比較的に薄作りで、造形は厳しく、大きな割にはそれ程の重さを感じさせません。

 全体が5角形に作られ、口縁の先端が垂直に立ち上がり、口縁は輪花となっています。

 造形的に、全体を5角形にしたり、口縁の先端を垂直に立ち上げたり、口縁を輪花とするなど、厳しく、また手が混んでいるわけですが、それ以上に、見込み面いっぱいに煩雑なほどに文様が描かれ、手が混み過ぎた感があり、見ていると息が詰まります。ただ、わずかに、中心部に若干の余白を置くことで、息詰まり感を解消させています(~_~;)

 

 

見込み面の中心部の拡大

若干の余白を置くことで、息詰まり感を解消させています。

 

 

 

 

見込み面周辺部の拡大(その1)

菊が描かれた面

 

 

見込み面周辺部の拡大(その2)

菊(?)が描かれた面

 

 

見込み面周辺部の拡大(その3)

花(何の花か不明)が描かれた面

 

 

見込み面周辺部の拡大(その4)

菊(?)が描かれた面

 

 

見込み面周辺部の拡大(その5)

椿(?)が描かれた面

 

 

見込み面周辺部の拡大(その6)

羊歯が描かれた面

 

 

口縁分の拡大

口縁の先端が垂直に立ち上がっています。

 

 

底面

 

 

牡丹が描かれた外側面

 

 

菊が描かれた外側面

 

 

紫陽花が描かれた外側面

 

 

口縁付近の外側面

口縁の外周部分にまでビッシリと文様を描いています。

 

 

高台付近の拡大

高台の外周部分やその付近にまでビッシリと文様を描いています。

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 口径35.7cm 高さ10.5cm 底径18.7cm


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (pada)
2023-12-21 20:19:07
素晴らしい大物ですね。
これだけの絵付け~気が遠くなるほど手間がかかっています。
素焼き+染付+色絵付け+金彩~エエ~4回も焼いているんですね。
今作れば、いくらくらいか~想像できません!
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Dr.Kさんへ (遅生)
2023-12-21 20:50:30
これはまたとてつもない大物ですね。
しかも、手抜きがない、隙がない。
ひょっとしたら、新発見の型物?

見込みの絵も良いですね。
折形そのものではありませんが、包みと紐結びはセットですから、そのうちの結びだけを描いたものだと思います。結びが飾り結びになっていることからも、折形由来のデザインであるといえるでしょう。
伊万里には、鍋島をはじめ、紐の描かれた物がありますが、今回のような品は初見です。
これまた、喉から手がでそうです(^.^)
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Unknown (ぽぽ)
2023-12-21 20:59:58
すごい迫力ですね!この大きさでこの緻密な細工は思わず競り落としてしまいますね(^^)そしてスペースと保管問題も共感でした笑
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Unknown (ころすけ)
2023-12-22 04:34:02
また大きな鉢を入手したものですねぇ!・・それにしてもビッシリと描かれていますが、江戸後期にしてもさほど見掛けないような気がします。・・途中から上手のモノだと気が付いたのですね。薄い作りですし造形も凝っている感じで好印象です。・・でも、やっぱり大きいなぁ。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2023-12-22 09:06:12
これは凄い品ですね!
こんな凄い大鉢は初めて見ました。
これだけの書き込みは相当な手間がかかりますから
やはり特注の一点物なのは間違いないところでしょうか。
黄色と緑の使い方に清朝磁器の影響が感じられますから
江戸中期末~後期に富裕層(豪商?)向けに特注で作られた極上品ではないでしょうか。
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padaさんへ (Dr.K)
2023-12-22 09:56:51
お褒めいただき、ありがとうございます。
そうですよね。このような物を、今作ったら、大変な金額になりますよね。
ところが、現代では、私を含めて、このような物は好まないんですよね。
「きもの」もそうですね。少し前までは大変に高額だったのですが、、、。
時代とともに、流行り廃れがありますね。
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遅生さんへ (Dr.K)
2023-12-22 10:30:59
過分なるコメントをありがとうございます(^-^*)

ホント、大きいですよね。
大皿といえば、江戸後期に一般大衆向けに作られた大皿は、もっと大きなものですが、これは、それらとはちょっと傾向が違いますよね。
↑ で、酒田の人さんが、「江戸中期末~後期に富裕層(豪商?)向けに特注で作られた極上品ではないでしょうか。」とのコメントを寄せてくれましたが、確かに、「型物」の雰囲気がありますよね。

昔は、私が古伊万里のコレクションを始めた頃は、古伊万里といえば、「型物伊万里」くらいしかその仲間に入れてもらえませんでしたが、この大皿は、辛うじてその延長線上の「型物伊万里風」として、いくらかは注目してもらえたかもしれませんね(笑)。

折形や紐結びからの考察、ありがとうございます。
「今回のような品は初見です」か。
コレクターは、この「初見」という文言に弱いですよね。ありがとうございます(^-^*)
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ぽぽさんへ (Dr.K)
2023-12-22 10:40:49
普通の江戸後期には無い造形の厳しさや煩雑なほどの絵付けの迫力に押され、ついつい、保管場所のことを顧みずに落札してしまいました(~_~;)
物理的に住む場所は狭くなりますが、心は豊かに広くなるでしょうから、よしとせざるをえませんね(笑)。
ぽぽさんも共感してくれましたか(^_^)
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ころすけさんへ (Dr.K)
2023-12-22 17:15:37
ははは、ずいぶんと大きな物を買い込んでしまいました(笑)。
私は、大きな物は保管場所に困りますので、最初から買わないことにしようと決め込んでいるんです。特に、保存箱まで付いていますと尚更保管場所に困りますから、最初から、見ないことにしているんです(爆)。
ところが、これには箱が付いていませんから、それなら、重ねて保管できるかな、などとも考え、上手物でもあるようですから、ついつい、競り落としてしまいました(><)
今は、大きな物は人気がないですね。
良いには違いないとは思うのですが、二の足を踏みますね(~_~;)
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2023-12-22 17:23:46
「江戸中期末~後期に富裕層(豪商?)向けに特注で作られた極上品ではないでしょうか」との、過分なるコメントをありがとうございます(^-^*)
確かに、中期末まで遡れるかもしれませんね。

以前は、高かったですよね。
それが、古伊万里の人気が薄れてきて、だんだんと値下がりし、特に、蛸唐草と大皿は値下がりしましたね。
やはり、大きな物は飾る場所にも保管場所にも困るからでしょうか、、、。
時代の変化というか、そのようなものに左右されますね。
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