藤野先生のお墓参りをしました

2012-04-21 17:37:04 | 雑感
先日娘のたっての希望で、娘が小学校3年と4年の2年間の担任だった藤野岳之先生のお墓詣りに家族で松本まで出かけました。彼女は先生に自分が結婚したことと、彼が待っているアメリカに行くことを報告したかったのです。

私たちが出会ったとき藤野先生は臨時の講師でした。先生はどうしても先生になりたいという思いを断ち切れず、いったん就職した会社をやめ講師になったばかりでした。

先生は子供たちを全身全霊で愛してくれました。そして私たち親も先生と一緒になって遊びました。小諸から長野まで夜通し歩く「ふれあいウォーク」に先生を先頭に親も一緒にクラスで参加しました。親たちも先生とゴルフに行ったりさまざまな場面で飲み会を行ったりしました。

そんな中で一番の思い出は彼が他の学校に転校してから子供たちを連れてディズニーランドに行ったことです。それは別れるとき子供たちとの約束を果たすためだったそうです。なんと子供たちが小学校を卒業するときまでに結婚していなかったらディズニーランドに連れて行くと約束してあったとのこと。そんな約束をする先生も先生でしたが、結婚できていないからと子供たちとの約束を律儀にも守る先生も先生でした。子供たちは大喜びでした。

そんな先生でしたが娘が高校1年生の時、悪性リンパ腫という病気で帰らぬ人となりました。葬儀には娘のクラスの子供たち、前任校の長野の吉田小学校の子供たち、現職の川島小学校の子供たちが大勢参加しました。とても気持ちのこもった心に沁みる葬儀でした。

その後娘が高校を卒業し、東京の学校に行く事が決まり家族で先生のご実家を訪問しました。大変歓待されお墓までご案内いただきました。その後娘が卒業し就職が決まった時にも報告に訪れ、今回で3回目のお墓詣りでした。


藤野先生のお墓の全景です。正面に藤野家の墓石があるところは普通のお墓と変わりません。しかしその右側には小さな子供たちの石像が3体あります。墓石の前には3つの大きな御影石が並んでいます。ちょうど教室の机と腰かけのようです。お墓にお花をお供えし、墓石と石像に水をかけ、お線香を手向けました。


子供たちの石像は胸を張って大きく口を開いて歌を歌っています。藤野先生は歌が大好きでした。娘の担任の時にもクラスの歌を作って歌っていました。


娘は子供たちの石像と一緒に写真におさまりました。真新しい卒塔婆が立ててあり、それによれば昨年が13回忌だったようです。すっかりご無沙汰していました。


3体の石像の足元に「一歩ずつ前へ、笑顔だぜ俺達、いつまでも」という文字が藤野先生のイラストとともに刻まれていました。お墓の下には先生が生まれ育った松本のまちが広がり、遠くには雪を頂いたアルプス、そして常念岳が見えます。家族3人でお墓の前で先生の思い出話をしてきました。

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