夜半,タカシが寝ぼけていた。急にムックと起きあがり,カーテン越しに無言のままで窓の外など見つめている。外には何が見えるのかな? ボンヤリ光る街燈に,空き地を横切る野良猫に,時おり通る車のライト。恐らくそんなものたちを,タカシのまどろむ風体は暫くじっと見続けている。でも,君の魂はどこにいった? 楽園の夢心地かな? 悲しい夢の世界かな? それとも例のアレですかな,魂魄半ば身体を離れたのですかな?
一応ここに記録しておくが,このような所作は父からの遺伝かも知れない。父も幼年時,ときどき寝ぼけて部屋の中などをウロウロすることがあった(らしい)。今となってはほとんど忘れてしまったが,一つだけ,就学前に夢遊病者めいた行動を自ら為した記憶がある(その具体的内容は言うも憚られるが)。ちょうど今のタカシと同じ年頃のことだ。何やら既視感を伴うような苦い記憶が蘇り,そして,束の間ではあるが息子と感性を共有した気持ちになる。とまれ,おやすみタカシ。いい夢を見なさい!
一応ここに記録しておくが,このような所作は父からの遺伝かも知れない。父も幼年時,ときどき寝ぼけて部屋の中などをウロウロすることがあった(らしい)。今となってはほとんど忘れてしまったが,一つだけ,就学前に夢遊病者めいた行動を自ら為した記憶がある(その具体的内容は言うも憚られるが)。ちょうど今のタカシと同じ年頃のことだ。何やら既視感を伴うような苦い記憶が蘇り,そして,束の間ではあるが息子と感性を共有した気持ちになる。とまれ,おやすみタカシ。いい夢を見なさい!