平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ケルビムジュニアの設計

2011-01-09 12:49:07 | スピーカー工作
 ようやくケルビムジュニアの設計が完了し、昨日は板の裁断を注文してきました。でも、まだまだ試行錯誤の直中にいます。

 今回のポイントは、5センチユニットを使うという意味では、09年のクリスマス前後に設計したミニミカエル(いつの間にか命名されてた)と同じですが、実はユニットにスコーカーを使おうかというプランがあります。5センチユニットは台湾のタンバン製を主に使ってきたのですが、音質的に最高という訳ではありません。繊細さとか品位とかが、ケルビムのFE88-ESに比べて物足らずです。値段が数倍も違うので仕方ありませんが。

 そこで、白羽の矢を立てたのが、メーカー製の3ウェイ機に使われるスコーカーやワイドレンジトゥイーターです。特に、日立のHS-400に使われたMH-35というトゥイーターは、振幅も大きくて下のレンジから使えそうです。でも高価なので手が出ませんでした。それで、ハイファイスピーカーとしては世界最小サイズ(当時)のHS-01に使われた、5センチフルレンジを手に入れました。綺麗ならプレミア価格のスピーカーですが、極めて安く手に入れられました。

 そして、最初の構想のように、フルレンジで使えそうなスコーカーも物色しました。スコーカーはエッジが固く、振幅が取れない設計なので、低域をコンデンサーでカットしないと焼き切れたり破損しやすい構造です。振幅が取れないので低域も期待できないのですが、バックロードホーンで補えるかがポイントになります。

 スコーカーやトゥイーターはユニットの裏が密閉されているものが多いのですが、マグネットの後ろのプレートに穴が開いていて、その穴から振動板が見えていればホーンに繋げます。今回入手したビクターパイオニアのスコーカーは、どちらも穴が開いていて、しかもフレームの横からも振動板が見えているので、ホーンを駆動する振動板面積としては十分です。

 二つのユニットですが、エッジとダンパーが硬いのでQが高く(共振しやすい)、どちらも裸で鳴らしても声が自然です。市販のフルレンジはエッジやダンパーがふらふらしている(Qが低い)ので、裸で鳴らすと低域成分が全く出ずにカーカー、コーコーという声になります。Qが低いユニットは、密閉したキャビネットに取り付けると、空気バネ効果でQが高くなり、低音が出るようになります。

 今回入手したスコーカーのうち、ビクターのはファインセラミックという振動板です。セラミックなので真っ白なのです。対して、パイオニアの方はチタン・ボロン振動板で、セラミックとは違いますが強度はやはり大きいユニットです。音楽がデジタル化された当時は、振動板は硬ければ硬いほうが良いとされ、メーカーはこぞって新素材競争に突入したのです。これが今の日本を支える、「素材技術の日本」の下地になっています。

 マニアックなオーディオファンと、それに呼応するメーカーが新素材や新構造を模索した80年代があったからこそ、日本は今も技術大国でいられるのです。特に、セラミックとカーボンは、スピーカーで成形技術を発達させた感があります。スピーカーは、最新技術の指標であり、そして集大成でもあるのです。それがオーディオ不況で消えたのですから、日本にとって大きな損失です。

 音ですが、ビクターのファインセラミックは高域がおとなしく、トゥイーターが欲しくなる感じですが、全体でも品の良い落ち着いた音を奏でます。対して、パイオニアのチタン・ボロン振動板はキレがあり、高域まで伸びているのでトゥイーターは必要ないくらいです。フルレンジで使うならパイオニアですが、フレームが大きいので、キャビネットで苦労しそうです。

 ということで、日立のフルレンジが届いたら、にらめっこ(面接)と音で判断し、使うユニットを決めたいと思います。

 なお、昨日の中山競馬場で、一押しのターゲットマシンが強い勝ち方をし2戦2勝。ダービーへの本命は揺るぎないです。今日は京都でシンザン記念。こちらも桜花賞に一押しのドナウブルーが出るし、明日の中山のフェアリーステークスもイングリッドが出ます。この三頭以外にも、ディープインパクト産の期待馬はいますから、2才リーディングサイヤーとなったディープはさすがですね。

      エフライム工房 平御幸
コメント (5)
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