平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ケルビムジュニアの革命的な音

2011-01-19 18:44:57 | スピーカー工作
 ケルビムジュニアは片方が完成し、ユニットを取り替えながら視聴しています。最初は共鳴音で癖っぽかったのですが、ボンドが乾いたら癖はなくなり、艶やかで高品位な音楽を奏でています。

 93年の発売で、カネゴンという愛称で知られたソニーの卓上型のオーディオシステムSRS-N100は、独自のバイオセルロースマイカという振動板を使った風変わりな製品でした。このスピーカーのコーンは青くて美しいものでしたが、当時はシステム全体がキワモノのイメージが強く、余り評価されなかったようです。しかし、このユニットは傑作です。

 ケルビムジュニアの設計が進んだ段階で、問題のユニット選定という事になりました。問題というのは、想定した5センチサイズのユニットは高級品がなく、台湾かフォステクスなどのローコスト品で我慢しなければなりません。それで、ストロークが取れないので低域は出ませんが、金がかかっているメーカー製のスコーカーも使える設計となったのがケルビムジュニアです。メーカーの技術者も自作マニアも、誰一人としてチャレンジしていない、スコーカーのバックロードホーンへの採用。そういう意味で、ケルビムジュニアは革命的なのです。

 肝心の音ですが、ソニーのバイオセルロースは傑作です。ヴァイオリンやギターなどの弦楽器は艶やかで繊細。チェロは低音が50Hzまでしか出ないのでやや不足感を感じますが、余韻が色気たっぷりに消えてゆく様は格別です。ソプラノは透明で艶やか。女性のナレーションも息遣いが魅力的に聴こえるほど。スーパートゥイーターで超高域を補いたい感じもしますが、高域も良く伸びている方です。

 青いコーンはソニーのバイオセルロースマイカ振動板

 対して、ビクターのファインセラミックのスコーカーを使用した方ですが、能率が高い割に落ち着いた音で、嫌な音や余分な音を出さないという、真っ白なユニットの顔付きとは違ったイメージで戸惑います。高域は不足なのですが、音の品位が高いのであまり気になりません。エッジやダンパーが硬いのだと思いますが、低音はソニーのバイオセルロースよりも出ません。それでも58Hzまでは出ているので、小音量で聴く深夜なら、交響曲やピアノでも不足感はありません。スーパートゥイーターとスーパーウーファーを追加すれば、モニター用としても文句なしです。

 真っ白なコーンはビクターのファインセラミック振動板

 パイオニアのボロンチタン振動板も試してみたかったのですが、フレームが特殊で丸穴だけでは取り付けられません。面倒なので暇なときにチャレンジしてみます。それにしても、中域専用のスコーカーでバックロードホーンは心配でしたが、予想よりは低音も再生するし、ボイスコイルが底を打つ感じもありません。小音量で使う分にはスコーカーは大丈夫だと分かりました。

 23日には稲城の公共施設を借りて試聴会です。キャパの割に人が少ないとどうしよう、と心配する前にケルビムジュニアのもう片方が完成するか?ケルビムジュニアの他に、ミカエル初号機と、A4サイズのミニミカエルが共演します。ミニミカエルと同じ5センチユニットなので、ケルビムジュニアの五倍近い体積差と長いホーンロードという設計意図が理解されると思います。

 なお、ケルビムジュニアは、ヴァイオリンを弾く娘さん用にとの岸和田からのリクエストだったのですが、ドンピシャのタイミングでソニーのユニットが手に入ったのも驚きです。出品者は補修用のストックと言ってましたから、もうしばらくは出ませんね。また、読者からのリクエストがあれば設計しやすいと分かりました。次は二回り大きなスーパーケルビムと決めていますが、使えるユニットの選択肢が広がったので、ケルビムジュニアのバリエーション化も計画しています。

      エフライム工房 平御幸
コメント (5)
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