平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ONKYO P-306Rの修理

2013-03-31 15:16:10 | アンプ製作と修理
 早いもので3月も終わりです。三ヶ月区切りで整理しているチラ裏や、掲示板情報も明日から新しくなります。

 ドバイのジェンティルドンナはシーマクラシック2着でした。昨日今日と女神が休みなので覚悟はしていましたが、外をかかり気味に回ってなし崩し的に足を使いましたから、この敗戦は彼女の負けるパターンです。父のディープインパクトも先行すると末が甘くなりましたから、もう少し脚をためる脚質転換が必要だと思います。

 さて、読者が購入したプリアンプのONKYO P-306R。早々と故障して僕が直すことになりました。症状は音が途切れたり出なくなったり。オンキョーのアンプは、僕が2台目に購入したA-805がクラシック向きでした。P-306RはA-805と同じデザインなので、使っているパーツも似ています。インジケーターに使われる14V麦球は、A-805でもほとんど全部切れたので、大半が生きているのが不思議なくらいです。


修理前

 基板は緑色のフィルムコンデンサーが目立ちますが、当時としては安物のほうだと思います。高級品は、1個数百円から数千円のλ(ラムダ)コンデンサーを多用していた時代です。また、電解コンデンサーも頭が緑色に変色しているので、両方とも交換することにしました。フィルムは倒産して在庫限りとなった、ニッセイのポリプロピレン2%誤差(普通は5%)のものです。電解コンデンサーはシルミックⅡを中心に、しっとりした音質を狙います。


修理後1 イコライザー基板


修理後2 フラットアンプ基板

 その他で交換したパーツは、Rチャンネル初段のFET(2SK170ペア)と、デュアルトランジスタの2SA979と2SC2291と抵抗一本だけ。ボリュームとバランスは取り外してから洗浄しました。これで修理完了。本当は調整が必要なのですが、調整用のポストピンに電圧計を近付けたらバチッと放電。それで調整は諦めました。電源電圧にプラスマイナスの誤差があるようです。


修理後の試聴

 P-306Rは長岡先生の推奨機種でもありましたが、20万円のDENON PRA2000の半分の値段で、高級品の回路でローコストパーツを詰め込んだ感じです。実際、トランジスタの誤差も10%程度の許容のようです。高級機は5%とかで、超高級機は1%近くの精度になります。アルプス製のボリュームやバランスは、このクラスとしては異例の大きさで質も高いです。

 修理後の音の感想ですが、最初はこじんまりして、ステージの後ろに引っ込んでいる感じです。音質も中高音が突っ張って疲れます。これはフォノでもCDでも変わりません。フラットアンプの特徴なのだと思います。

 しかし、電源を入れたまま、ドバイの競馬をネットで見終わるまで数時間の放置をしたら、全体的に木目が細かくなり、音場もステージの前までせり出して来ました。ソプラノは艷やかで、フルートは乾いた感じがよく出ます。これならクラシックを聴いても大丈夫なレベルまで向上。PRA2000と比較すると、生々しさや自然さが少し後退。でも、10万円のアンプが12万円程度にはなったように思います。

 CDのみを聴くのならプリアンプは必要ではなく、高級なボリュームを箱に入れただけのパッシヴ型で十分です。しかし、LPを聴くためのフォノイコライザーがプリアンプの特徴なので、やはり程度の良いLPプレーヤーが欲しくなります。P-306Rは、MCカートリッジの良さを引き出す回路構成ですから、LP初心者には調度良いと思います。

    エフライム工房 平御幸
コメント (10)
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