松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

櫨色(はじいろ)観察 まとめ

2007-07-15 19:45:51 | 櫨染(はじぞめ)プロジェクト
櫨が天皇陛下のみ身につけられる禁色の材料として
今でも用いられているというのを知って、私は非常に驚きました。
特に黄櫨染に太陽の色が隠れているという不思議さに至っては
しばらく感動でモノも言えませんでした。

以前ご紹介した高橋善蔵著「窮民夜光の珠」の一説を
思い出したので再掲します。

「夜光珠というのは唐土の珍宝であったが、
人に知られないで久しい間埋もれていた。
それを卞和(べんか)という楚国の賢人が
山中で発見して掌中で磨きに磨き、
ついに雲上にまで輝くような光を発して
楚国の宝となった。
今やわが国の櫨もその功能を知る人がなく、
薪にされる始末である。
そこで櫨栽培を研究して、
その要領をここにまとめて夜光珠と題するのである」
(山田龍雄 現代語訳 日本農書全集より)

黄櫨染は、一見渋い色なのですが、
隠れた光を持つというのが、まさに夜光珠を思わせます。
櫨には底知れない能力があるという一種の証じゃないでしょうか。

今回、たまたま色彩や染色の事を知り
日本文化のすばらしさにも改めて感銘しました。
これからもっともっと櫨の可能性を探っていこうと思います。

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