松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

おおきな樹

2008-08-08 22:02:20 | 美味しい食事
櫨を通じて知り合ったSさんらと鳥栖市にある野菜料理レストラン「おおきな樹」に行ってきました。
ここは自家農園で無農薬・有機栽培した野菜を使った料理のお店です。

今日は勉強会ということで、食事の前にフードコーディネーターの松田さんの食に関するお話を聞きました。とても興味深い話が多かったんですが、中でも私が興味を持ったのが「アブラ」の話。

大量生産・大量消費をまかなうために、市販のある特保マークのついた植物油には「特別な」薬品や酸化防止剤などの様々な添加物が入っており、自然界に絶対存在しない油になっているのだそうです。しかし、自然界に存在しない油は人間の体も分解できないため「体に吸収されない」→「コレステロールをあげない」ということで、健康にいいという謳い文句で宣伝しています。「コレステロールをあげない」油というのは耳に心地よい響きですが、よく考えればそんな都合のよい油なんてなく、大きな代償を伴うものなんですね。

また原料から油を抽出する時の話。基本的に植物から油を抽出する時は、機械ですり潰して圧縮して搾り取って濾過する「圧搾法」が伝統的な手法ですが、最近の市販の植物油は薬剤抽出法が使われています。すなわち「ヘキサン」という化学物質を使っていること。ペンキをシンナーで溶かすように「ヘキサン」は原料のごくわずかな油分も抽出し、ヘキサンを先に蒸発させてまた回収し、それを何度も使うのが最も一般的な方法なんだそうです。

ここまで聞いて、私は食べ物の話を聞いているのに、櫨蝋の問題とかぶっていることに気がつきました。櫨蝋もれっきとした脂肪であり油脂でもあり、櫨の実から蝋を抽出する時、同じように伝統的な圧搾法とヘキサン抽出法とがあるからです。

ヘキサンを使って抽出した櫨蝋は、伝統的圧搾法で抽出した櫨蝋と比べ、手がけをする職人達の肌をかぶれさせるという報告が出ています。もちろん櫨マケじゃありません。「化学物質マケ」です。手がけでかぶれるぐらいですから、食べ物として体内に入れた場合の怖さを想像すると、ぞっとしてきます。化学薬品や添加物というのは食品に含まれる量はわずかですが、それが蓄積されてくると、将来、深刻な病気の原因になりえるのではないでしょうか。

お話の後は、お待ちかねのランチ(上画像)です。玄米・野菜中心のできるだけ油を使わない料理をいただきました。調理に気をつけるだけで、ずいぶんカロリーが減ります。これで500kcalだとか。ま、腹八分………七分って感じかな?ともかく食後のデザート・梅ゼリーも美味しかったです。

店内は省エネのため電気を消していますが、自然光だけで十分明るい光が入ってきます。


店内の一角に、店が使っている油や醤油などの食品や、おすすめの商品が置いてありました。

私はとりあえず、菜種を伝統的圧搾法で抽出した「菜種油」1200円を購入しました。
「もちろん安全な油だからといって、摂りすぎは禁物よ。ちょっとだけね。」とSさん。
……安全だから、がばーっと使おうかと思ってました。ま、そうですよね。

自然食品は普通のものより、やや値段が高めなのが難点ですが、こうした知識をもとに日頃から適度に心がけていくのが大切だと思います。

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