筑前町の道場は称号を持つ先生が二人しかいません。いつもは一人の先生からずっと習っていますが、先日は、途中からもう一人の先生も練習に来られました。で、他の人が帰ってしまい、残った私は錬士の先生二人と一緒に、三人で引くことになりました。
最近どうも矢所がバラバラで、実はほとんど的に中らなくなっていた私ですが、まあとにかく、あんまり深く考えずエ~イと引き、的前から退場すると、先生二人で何かボソボソ話しているわけです。
「あんなに矢がばらつくなんて…。」
「前は、まだもうちょっと矢所が揃ってたはずだ…。」
「射形がおかしいんやないか。」
「…手の内かもしれない。」
「もうちょっと勢いよくパンと離れを出さないと…。」
「今のうちになんとかしなければ…。」
ギクッ!なんと私の事を話題にしているじゃないですか。しかも重症患者を扱う医者同士の会話みたいな内容です。わ、私、かなり重症だった?どうしよう…。私は老先生二人を前に、ゴロゴロ転がってそのまま弓の入ってるロッカーに逃げ込みたい気分に襲われました。
結局うむを言わさず、その後は二人がかりで手術、じゃなくて射形の矯正治療の時間になりました。
どうやら大三から会に入る時、肘が入ってなくて、小さく前に下ろしてたのが一番の原因だったようです。まあ、他にもいろいろ問題はあるんですけど、当面の問題はそれでした。先生二人に見つめられ、汗だくになりながら何本も引き、矯正してもらいながら気づいたんですが、自分の射形がどこか崩れていることは私自身も薄々わかっていたってことです。でもそれがどう崩れているのかが理解できなくて、先生から指摘されてようやく具体的に認識したのです。う~む、恐るべし。
おかげで矢が真っ直ぐ飛ぶようになり、無事に矢所も安定してきました。二人の先生達も「ふむ、ふむ。そうそう。」となんだか納得してもらったので、もう、それが何よりよかったという気分になりホッとしました。
思い返すと、矢がばらついて全然的に入らない時は、自分が内心、非常に不安になっていたような気がします。なんとなく的前に立つと憂鬱な気分になってたというか。今回、問題が解消したおかげで、また楽しく引けるようになったからゲンキンなもんです。こんなに気にかけていただいた先生達に感謝感謝。
でも、ふと疑問がおこりました。
「先生、私はこうやって指導していただいてるけど、先生達は誰から指導していただくんですか?」
「教士の先生。」
「…教士の先生は誰から?」
「範士の先生。」
「………範士の先生は誰から?」
「いない。上に行けば行くほど、誰からも見てもらえなくなる。」
上に行けば行くほど、次第に孤高さを身にまとっていくんでしょうか。う~む。そういう時の心境ってどんなもんなんでしょう。もしいつか、範士の先生とお話できる機会があれば、聞いてみたいことではあります。
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最近どうも矢所がバラバラで、実はほとんど的に中らなくなっていた私ですが、まあとにかく、あんまり深く考えずエ~イと引き、的前から退場すると、先生二人で何かボソボソ話しているわけです。
「あんなに矢がばらつくなんて…。」
「前は、まだもうちょっと矢所が揃ってたはずだ…。」
「射形がおかしいんやないか。」
「…手の内かもしれない。」
「もうちょっと勢いよくパンと離れを出さないと…。」
「今のうちになんとかしなければ…。」
ギクッ!なんと私の事を話題にしているじゃないですか。しかも重症患者を扱う医者同士の会話みたいな内容です。わ、私、かなり重症だった?どうしよう…。私は老先生二人を前に、ゴロゴロ転がってそのまま弓の入ってるロッカーに逃げ込みたい気分に襲われました。
結局うむを言わさず、その後は二人がかりで手術、じゃなくて射形の矯正治療の時間になりました。
どうやら大三から会に入る時、肘が入ってなくて、小さく前に下ろしてたのが一番の原因だったようです。まあ、他にもいろいろ問題はあるんですけど、当面の問題はそれでした。先生二人に見つめられ、汗だくになりながら何本も引き、矯正してもらいながら気づいたんですが、自分の射形がどこか崩れていることは私自身も薄々わかっていたってことです。でもそれがどう崩れているのかが理解できなくて、先生から指摘されてようやく具体的に認識したのです。う~む、恐るべし。
おかげで矢が真っ直ぐ飛ぶようになり、無事に矢所も安定してきました。二人の先生達も「ふむ、ふむ。そうそう。」となんだか納得してもらったので、もう、それが何よりよかったという気分になりホッとしました。
思い返すと、矢がばらついて全然的に入らない時は、自分が内心、非常に不安になっていたような気がします。なんとなく的前に立つと憂鬱な気分になってたというか。今回、問題が解消したおかげで、また楽しく引けるようになったからゲンキンなもんです。こんなに気にかけていただいた先生達に感謝感謝。
でも、ふと疑問がおこりました。
「先生、私はこうやって指導していただいてるけど、先生達は誰から指導していただくんですか?」
「教士の先生。」
「…教士の先生は誰から?」
「範士の先生。」
「………範士の先生は誰から?」
「いない。上に行けば行くほど、誰からも見てもらえなくなる。」
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