25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

歌わずにはいられない エリーダ・アルメイダ

2016年10月11日 | 音楽

  ポルトガル、リスボンのアルファーマという路地のエリアに入る手前に小さなミュージックショップがあり、僕はそこで「セザリア・エヴォラ」のCDを見つけた。勘で買ったのだが、大成功だった。セザリアは瞬く間に世界を席巻した。彼女は西アフリカの島 カーボヴェルデの出身で、その島で「裸足のセザリア」と呼ばれていた。

 セザリアが世を去ったのは2011年。もう彼女の新しい歌は聴けないと思っていた。今日、名古屋に入ったついでにタワーレコードに寄った。すると、ワールドミュージックのコーナーに「こころに響く歌声!アフリカ、カーボヴェルデから、世界に羽ばたく注目の歌姫! エリーダ・アルメイダ」『歌わずにはいられない』とポップに書いてあるのが目に入った。おお、ついにセザリアを継ぐものが出てきたか、と僕はそのCDを買った。セザリアを知ったときは彼女はすでに40代だったと思う。エリーダ・エルメイダはまだ23歳である。生まれ持った声が切ない。そしてセザリアよりも高音部が透き通っている。中音部はチェロのような声である。時にバスのような声も出る。

 出てきたか。そういうものなのかもしれない。ファドの女王アマリア・ロドリゲスが亡くなったあともやはり出てきた。

 帰りの車の中でエリーダ・エルミダの曲を聴きながら、この踊りと歌の島には一度行ってみたいものだとはるばる思う。

 たまたま出かけた店でセザリアを継ぐ若い歌手のCDと出会うのも珍しく、不思議な思いもする。

 ポルトガルの植民地であったカーボヴェルデ。アフリカ、ブラジル、西洋の音が入り混じっている。喜ぶべきこの運。今日はこれで十分である。