25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

共有経済社会

2016年10月24日 | 社会・経済・政治

  土地と家屋と食料を商売に使ってはならない。それらを共有とし安心を皆で保証する。村は先進技術などを取り入れ、住民の経済活動を支援する。この村で製造されるオリーブオイルは平均価格の1.5倍の値がつくそうだ。そして若い人たちが移住してきた。これはスペインのある村の話であるが、資本主義の行く先の事例としてNHKスペシャルが紹介していた。国家の境界に縛られたくない若い起業家たちがタヒチの海にそれぞれの島をつくり、島と島を道で結ぶ。島は一企業で企業によるルールで運営されている。タヒチの大統領はそれを許可した。アップルはアイスランドの本社を置き、さらに子会社を多数置くことで、合法的だと判断する限りで、税金の回避を行っている。アップルは法人税を0.005%しか払っていないようだ。企業の法人税は普通、そのお金を社会的公平という観点から再配分を行う。ところが企業の法人税率の下げ競争が始まり、アイスランドがヨーロッパでは一番安く、12.5%。それからまだ工夫に工夫を重ねて、0,005%までになっているそうだ。アマゾンしかり、グーグルしかりで、企業は株主のために利益を最大限にしようとする。すると政府に入ってくるお金は少なくなる。政府は再配分ができにくくなる。不満層が現れる。こんな国家など壊してしまえ、という気分になってくる。資本主義はどこへいくのか。

62人の持つ富と世界の最下層から勘定して30億人の富で同等だという。

 日本も格差社会へと進んでいる。母子家庭の貧困率が高い。一方で東京オリンピックの建設費などに都と業者が絡む。豊洲が市場としてなくなれば今度はカジノだ、アマゾンだ、とまたそこに都と業者が絡む。大切に使われなければならない税金で支払われるお金がなんとやすやすと上がったり、下がったりするものか。

 マルクスが言うには資本主義の行き先は共産社会であった。2050年には「共有経済社会」が世界の至るところにでてくることだろう、と名前は忘れたが、ある学者が言っていた。オランダですでに始まりつつあった。物も共有するのである。さきのスペインの村も同様であった。一村長の決断である。僕はテレビで資本主義の末路のような話が2016年になって、登場するとは思えなかった。1970年代、その末路をトピックスにするものもいなかった。世も変わったものだと思う。そして僕ももしかしたら、共有経済社会を目にできるかもしれない。