25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

文学

2019年07月12日 | 文学 思想
 今月号の「文學界」には村上春樹の短編小説2編と、川上未映子へのインタビューがあったことと、近頃の文学の世界はどうなっているのか、と思い購入した。
 買っておきながらウィンブルドンでの錦織圭の試合があり、映画「太平洋の奇跡」を観たり、さっさと酔っぱらってしまったりで、雑誌の1ページも読めていない。昼読むと必ず眠くなる。困ったものだ。今夜こそ読もうと自分にカツを入れているところである。

 50年後も読まれる作品。村上春樹の「1Q84」が思い浮かぶ。三島由紀夫の「豊穣の海」も浮かぶが、ちょっとちがうか、と思う。中上健次の「千年の愉楽」は頷く。
 50年後も生き残る作家となると、森鴎外はあと10年耐えられるだろうか。太宰治は百年後も読まれるに違いない。夏目漱石はたいへんなものだと思う。「続明暗」を書く作家がでるほどである。また「明暗」はごく平凡な男と女、その周囲にいる数人とのあれこれで物語が進むのである。ただ主人公は密かに思っていることがある。元婚約者がなぜ、突然に婚約を破棄したのかわからない。その心思いが物語を引っ張っていく。漱石のテーマの選び方と読ませていく力量である。
 この点では、三島由紀夫の「豊穣の海」の「暁の寺」は難し過ぎるように思う。つまり過剰に知識的であり、観念的である。この小説を多くの人が解る日が来るのかも知れない。
 難しいところだ。人間にはわからない脳があるということは確かだし、自分の脳でしか想像も理解も相手に対してできないだから。   

 
 
 

サービス産業

2019年07月12日 | 社会・経済・政治
 サービスを事業としている会社の方からメールなどいただくと、「榎本様」が「榎本さん」と表記したときには「失礼しました。お名前の表記を間違いました。失礼のほどお許しください」などと返事が来る。
 ジャニー喜多川が仲間うちで「You」と呼んでいるのは「全員の名前と顔が覚えられない」こともあるのだろうが、You はとても公平で、平等でもあるからだと思う。

 日本列島人はもってしまった言語ゆえに、「様」と「さん」さえ気をつけなければいけない世界で仕事をしているようだ。ぼくはざっくばらんでいいと思うが、クレーマーも多いのだろうから、その些細な気配りが必要なのだろうが、こんなことでは身体を悪くしそうだ。

 サービス産業がすでに70%ほどを占めている日本社会であるのに、サービス産業の賃金は少ない。そしてクレームを受けるのもサービス産業が最前線である。

 マクドナルドで働く若いスタッフを見ていると、自分が若い頃を想像するととても能力の差を感じる。ぼくなどはせいぜい皿洗い程度だ。マックでは皿洗いもないだろうから、要するに務まらないと思う。外からの注文をヘッドフォーンで聞きながら、別の顧客の商品を整えているのである。こんな芸当もぼくにはできないような気がする。

 ところで、ラジオで聞いたのだが、20代、30代、40代で貯金ゼロの人が平均すると48%ほどになっていると聞いた。これはたいへんなことである。50%を超えると不満が高くなってくるだろうし、犯罪も増えてくることだろう。50%を超えれば社会不安である。
 なぜそうなったか。理由は簡単である。安倍政権は株価を上げてお金持ちにヨイショしたものの、株を買っているのはアメリカやヨーロッパの人たちで70%を占めるのである。年金、日銀まで導入して株価操作をし、外国人に儲けられている。20代~40代にはワインはしたたり落ちてこないのである。アメリカ、ヨーロッパは日本の金融政策、財政政策は大歓迎だ。儲けさせてくれる金主元なのだから。
 だからかサービス業の最前線にいる人の賃金は上がらず、非正規雇用がまかり通る。
 と、こんな風な論理展開となる、あながち間違ってもいないだろう。