25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

スコアというイヤなAI

2019年12月29日 | 社会・経済・政治
 みずほ銀行の社長ととソフトバンクの社長がにこやかに握手をしていた。AIで提携するのだという。個人の信用度がスコアとなってスマホに表れ、それによって融資の可否、限度額などがわかる。
 アメリカでは起業家は失敗は勲章のようなものであると聞く。これはひとつの文化である。事業で失敗した人はどんなスコアになるのだろう。別のシステム、たとえばベンチャーキャピタルとか。
 中国では自転車を置くにも違反をしないよう、仕切り白線にまで気をつけている青年を紹介していた。スコアを落とさないためである。監視社会があって、それが金融や仕事、教育と繋がっていく。
 みずほとソフトバンクの社長の握手を見ていて、日本のような一度失敗したら、銀行取引もクレジットカード発行もできないような経済社会文化をもつ国で、彼らは何を考えているのだろう。
 はたまたイギリスはどうするのだろう。一人あたり800万円ほどの借金をもち、800万人ほどの人が借金返済不能になっている。因みにイギリスの人口は日本の約半分である。
 要するにAIというのは当面は情報をインプットするときに国の状態や文化が織り込まれるということなのだろう。これに帯する反乱はあり得ると思う。自立しなければならない個人幻想がギクシャクとし、強力なシステムに紐づけされるからだ。

 客を囲い込もうと新しい技術を得意気に見せて笑顔で握手をしているこの人たちに哲学的思考はあるのだろうかと穿って見てしまう。

 それはさておき、2020年は、再度糠漬けを作って大根の皮をパリパリ食べたい。ナマコとアワビを食べたい。タコの唐揚げを食べたい。