エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

雲は黙して語らず、ただ流れ去るのみ

2011年01月06日 | ポエム
ここのところ美しい雲が描かれ続けている。
加えて空の色が美しいのである。






        雲は黙して語らない


      雲に聞け
      生々流転の雲に聞け
      雲は黙していながら語り出そうとする
      流れ流され
      容つくられ容崩され
      客体化され瞬時に解体される
 
      雲の容積は普遍であって
      円を描きつつ
      螺旋的に変化する
      形状の変化は螺旋的回帰の帰結であって
      偶然ではない

      雲は必然を招来し
      毅然として変化を繰り返す

      雲は黙して語らず
      黙して語る

      雲に問え
      雲に語れ
      雲に駆け寄り
      雲に跨がり
      雲に叫べ
      雲は応えつつ
      千変万化
      容を変える

      一月の凍てつく空を見上げる
      そこに
      決して裏切らない雲がある





雲は天才である。
と喝破したのは石川啄木である。



まるでこんにゃく版で描いたようだ。



掃き清める。



掃き清め続ける。
雲は飽きることなく、それを繰り返しつつ生々流転を現世に示し続けるのである。



雲は神が作るのだと信じたいのだけれど・・・。
神は、出来上がった雲を置いていくのか・・・それとも新たに描いていくのか。

描くのは、神の指なのか・・・それとも筆なのか。







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                     荒野人