エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

縄文からの谺・・・国立博物館の所蔵物「遮光器土偶に会う」

2011年01月29日 | 日記
国立博物館で平山郁夫展が行われているので、ついでと思って常設館を訪ねたのである。

平山郁夫は、例えば山梨県の大泉村などにも美術館を展開している。
平山を敢えて鑑賞する必要も無いのだけれど、土偶を見たいと思って出かけたのである。



この土偶は「遮光器土偶」としては最高の出来である。
実に不思議な形状で、連想を膨らませてくれる。

左足が欠けていても、日本で出土する土偶の中で最高峰である。
青森の亀ヶ岡石器時代遺跡(亀ヶ岡遺跡)からの出土である。

ぼくはこの土偶を持って嚆矢とすると思っていたのだけれど、この土偶に酷似したものが東北地方の遺跡から数多く見いだせるのである。
エスキモーが雪の光の反射を防ぐためにかけている遮光器(ゴーグル)に似ており、名前の由来もここにあるのである。



これは、岩手県盛岡市の手代森遺跡からの出土である。



これは、岩手町豊岡遺跡からの出土である。

どの土偶も独特の特徴を持っており、空想を羽ばたかせる。
研究者は空想から科学へと考え方や見方を止揚させるのであろうか?

普通の人間の形を逸脱した極めて特徴的な形態から、一部では宇宙服を着用した宇宙人の姿を模ったものであるという説(古代宇宙飛行士説)、東北地方で広く信仰されたアラハバキ神であるという説、古代シュメールの女神イシュタル説も提唱されているのである。

いずれにせよ、この目の表現は尋常ではない。
まるで、猫の目である。
着衣も、通常の人が日常生活で着用する形状では無いではないか。

なお、遮光器とは雪の反射光から目を守るためのメガネ(ゴーグル)の事である。

これらの土偶は、遺跡の地ではなく、国立博物館が所蔵しているのである。
この遮光器土偶は、神であるからこそデフォルメされているのかもしれない。

そう思えば夢は古代へと飛翔するではないか。
考えるだけでも楽しいのである。

因みに、こうした遮光器土偶は下記の遺跡から出土しているのである。
  •亀ヶ岡石器時代遺跡(亀ヶ岡遺跡) - 青森県つがる市 - 重要文化財。
  •手代森遺跡 - 岩手県盛岡市 - 重要文化財。
  •恵比須田遺跡 - 宮城県田尻町 - 重要文化財。
  •泉沢貝塚遺跡 - 宮城県石巻市 - 県指定重要有形文化財。

いずれにせよ、一度は土偶に関して一文は書かなければならないのである。
縄文人が土偶に託した思いや願いについて、現在人の琴線に触れる事実を明らかにしたいのである。

いま、ぼくは一所懸命に学習中である。








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                     荒野人