エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

光が丘公園の紅葉

2012年12月08日 | ポエム
光が丘公園の紅葉が見頃である。
公孫樹並木は、既に葉を落としきりつつある。



赤や黄色、あるいはまた鮮明なグラデーションが公園を飾っている。
この公園は、広い。



従って、紅葉が点在している。
ライト・アップも無い。



だがしかし、美しく季節を惜しんでいる。
哀悼の紅葉である。



今日は既に大雪であるからである。
大雪。
北国では雪の便りが聞かれる。



紅葉だけでは無い。
欅の黄色も鮮やかである。

空が美しく映える。
画然として切り取られる空である。






      語れ紅葉よ


  紅葉は黙して語らず
  誰が語るのだ

  紅葉よ
  紅葉よ
  誰に語らせるのだ

  君が語れよ
  ぼくが
  語ろうか
  ぼくが
  君に代わって

  秋の終わりを語ろうか
  それでも良いのだよ
  語る事は
  苦痛だけれど
  ぼくが
  語ろうか







  紅葉よ語れよ
  語れ
  紅葉よ

  緩やかな
  穏やかな
  甘やかな
  秘めやかな
  ひたむきな
  しかして
  揺るぎなき
  季節への憧憬を

  憧憬は
  目を瞠る
  深淵なる気配である
  気配こそが
  憧憬の本質
  である

  君が
  紅葉の赤さや
  あるいはまた
  黄色や
  青味をもって
  何を語るのか
  ぼくは黙して
  正に君が語る
  虚偽と真実と
  その混沌を
  聴こうではないか








  紅葉は裏切らず
  憧憬の気配は
  裏切らず
  その柔らかな
  心の襞を
  解放しているのだから

  季節と言う四季を
  ぼくは
  君と
  綴って来た
  四季と言う
  憧憬を
  実体化して

  他に
  何を深めるという
  のだ

  ぼくは
  きみにメールする
  さよなら
  だけの
  愛のこもった
  メールを

  そして紅葉よ語れよ
  との
  純情をこめつつ





公園の中の小さな小さな池には、高校の学び舎が映るで。
その横の欅が、黄色の正統な色は俺だ!
と言っている。

ぼくには、詩を作るしか能が無いのかもしれない。
欅が男だと、誰が決めたと言うのだ。



      荒 野人