エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬の雲は美味そうだ

2012年12月11日 | ポエム
冬の雲は美味そうだ。
と、誰が言った?



野人が言っているだけである。
厚みのある様相といい、柔らかそうな色合いといい、美味そうに見えるではないか。

冬の雲には、夏の雲のような荒々しさはなく、ほどけいく様はホンワカしている。
日本列島は、低気圧の影響で悪天候が続いているけれど、東京は穏やかに晴れ上がっている。
とりわけ、昨日は暖かかった。







「冬の雲ほどけて淡く美味きかな」





「赤銅と見紛うばかり木守柿」







雲が自然の呪縛から解き放たれ「ほどけ」行く姿も惜しみのある風情である。



ぼくは、ほどけ、消え行く雲も大好きである。



木守柿が一つ、赤々と燃えていた。
命の「ほだあかり」である。


      荒 野人