エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

時雨の一日

2012年12月16日 | ポエム
ほぼ一日時雨ていた東京。
寒さが身に沁みるのである。

今日は衆議院議員選挙の投票日である。
有権者を迷わせ続け、目晦ましのように政策を唱え続ける。
どの政党も、天に向かって唾をしているかのようである。

さて、これから投票所に向かう。
まだ悩んでいる。
選挙区も、比例も、そして不意に訪れた東京都知事選挙も・・・誰に、どこに投票したらベストな選択になるのだろう。

齢を重ねて、しがらみが無くなったからこその悩みである。
ついこの間までは、自らが先頭に立って選挙活動を指示していた。
従って、投票先は微動だにもせず厳然としてあった。
いまは、自らが支えていた政党にすら投票する動機が無くなってしまっている。

まさか、隠遁生活ではあるまいし・・・。
子や孫たちに、残せる社会であるのかどうか?
そんな事を考えている。

昨日遅ればせながら、友人関係にある選挙事務所を3か所訪れ、陣中見舞いを置いてきた。
社会と縁遠くなる事を恐れた訳ではない。
友人たちの頑張りを励ましたくなったからに他ならない。

けれど、その友人たちの所属する政党や政治団体に投票する訳でもない。


「時雨たる愛の終わりの形かな」




コブシの蕾に陽が射している。
冬本番を前にして、既に開花を準備する自然よ。
愛おしい。

天候としては晴れ間が見える。
だがしかし、日本の未来に希望の光は差してこない。
薄日すら見えない。
ぼくの心の鏡が濁ってしまったのだろうか。

それとも日本という社会が霞みつつあるのだろうか。
とても辛い1日になりそうである。


      荒 野人