エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

鬼鎮神社

2016年01月20日 | ポエム
世にも珍しい、鬼を祀神とする神社である。
「きぢんじんじゃ」と読む。



場所は、埼玉県の武蔵嵐山駅から徒歩15分。
奥まった場所に鎮座している。



かつては、門前列をなしていた。
門前町が広がり、宿も数軒あったというのである。



今でも、信仰の篤い善男善女が押し寄せる。
宮司は、かつてを懐かしむかのように語ってくれた。







「雪の径鬼の鎮もる神社かな」







本殿の右横に、鬼の金棒が寄進されている。
戦前は、巨大な金棒が寄進されていたらしいのだ。
終戦直前、それらの金棒は拠出したのだという。

大雪の翌日であるからだろうか、頭を垂れに来たのはぼく一人だったらしい。
お護りを二つ買い求めたのであった。

この神社の節分会は、他の神社とは掛け声が違う。
鬼を祀っているからである。
「福は内、鬼は内、悪魔外!」
である。



嵐山の人々は、柿などは収穫しないようだ。
柿の木には、無数のヘタが残っていた。



雪に埋もれた、大根や白菜、それにネギ・・・。



梅の花も、隠れている。



家に着く頃、月が現われた。



雪の処女地は、触れる事を拒んでいる。
楽しい、ショートトリップであった。



       荒 野人