エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ハナニラの一輪

2016年01月27日 | ポエム
今年初めて、ハナニラの一輪と出会った。
彼は、何を勘違いしてしまったのだろうか?

最大級の寒気団が、シベリヤから降りて来ていると云うのにである。
出会えたぼくは嬉しい。
何だか分からないけれど、ウキウキしてしまうのだ。



この冬、三つ目の「スプリング・エフェメラル」である。
福寿草、スノードロップに次ぐハナニラだ。

この春の妖精に、おそらく誰も気付いていない。



薄暮になるかならないかの時間帯であった。







「ハナニラやただ一人の先ばしり」







毎日歩いていれば、必ず何処かに妖精たちが潜んでいるのである。
この妖精たちは、飛天ではないから空を舞う事は無い。

けれども、ぼくたちの心の中に感動と云う飛翔を与えてくれる。



薄暮・・・間もなく魔ヶ時。
魔物に出会う時間帯になるのだ。
危時と書いて「まがどき」と読ませる事もある。

平安の時代、鬼と共生していた歴史がぼくたちのDNAの中に息づいているのである。
そんな、鬼を大切にしなければ・・・と思いつつ節分をやがて迎える。



     荒 野人