エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春耕

2016年04月02日 | ポエム
花の満開を迎えている。
正しく「花万朶」である。



こうなれば、しめたものである。
花筏も、花散しの雨も、花吹雪も、桜に関する全ての季語が使える。

シメシメ、である。

季節にあった季語。
ぼくは「春耕」が大好きである。



田畑を整える。
農業に従う者の、優しい心構えである。

同時に、農業の季節を待つ人々の心の歓喜が見えて来るではないか。

美しい生業である。



ぼくも小さな頃、水田や畑で遊んだものだ。
お田植え、稲刈り、稲こき、そして畑の野菜の収穫。
母や、祖母似従って田畑へ出かけた。



空にはヒバリが囀り、稲刈りの終った田んぼにはレンゲの花盛り。
懐かしい日々であった。







「春耕や農婦の鍬の土の色」







若い農婦である。
振り上げ、振り下ろす鍬に力が漲っている。

生命の讃歌である。



     荒 野人