エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

レンゲ草

2016年04月28日 | ポエム
もっと早く詠みたかった。
けれど、なかなか詠む事が出来なかった。

レンゲ畑が少なくなってしまったからだ。
薄ピンクのレンゲが、風に揺れる様は仄仄としている。
ぼくは、何故か胸の辺りがキュンとするのだ。



母の記憶とか、母亡き後の父との生活だとか・・・あるいは妹の可愛かった頃の事とか。
そんな事どもが、思い出されてならないのだ。







「レンゲ草母の胸へと還る日々」







レンゲ草の一つ一つの花が、微笑んでくれている。
そんな風に思ってしまうのだ。



レンゲ草に寄せる思いは、故郷への思慕であると云っても良い。
悲しかった思い出や、楽しかった思い出。
母の優しさだったり、父の強さだったりするのだ。

いつか、なんの蟠りも無く帰郷出来るのだろうか。
長い年月の、静かな効き目があれば良いのだけれど。
それは決して特効薬でなくても良い。

穏やかな効き目があれば・・・嬉しい。



     荒 野人