エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

玉川上水を歩く

2016年04月26日 | ポエム
誠に爽やかな一日であった。
今日も又、湿度が低く爽やかな一日となりそうである。
そうだ、間もなく爽やかな五月なのだから・・・。



この上水沿いの径は、気持ちが良い。
近在にお住まいの方の、心根の優しさが知れるほどである。



水の流れは江戸時代から続くのである。
かなりの速さであって、太宰の入水が良く分かるのだ。
この速さなら、目的は貫徹されると思い込んだに違いないのである。



かつて江戸市中へ飲料水を供給していた上水(上水道として利用される溝渠)であり、江戸の六上水の一つである。
多摩の羽村から四谷までの全長43kmが1653年に築かれた。
一部区間は、現在でも東京都水道局の現役の水道施設として活用されている。



羽村取水堰で多摩川から取水し、武蔵野台地を東流し、四谷大木戸(現在の四谷四丁目交差点付近)に付設された「水番所」(番屋)を経て市中へと分配されていた。



水番所以下は木樋や石樋を用いた地下水道であったが、羽村から大木戸までの約43キロメートルはすべて露天掘りであった。
羽村から四谷大木戸までの本線は武蔵野台地の尾根筋を選んで引かれているほか、大規模な分水路もそれぞれ武蔵野台地内の河川の分水嶺を選んで引かれている。







「春の径文字の擦れの石碑かな」







この上水あたりの在。
日々、水の有り難さを感じているに違いない。

そうであって欲しい。
いつまでも保全していくことが、今を生きる私たちの責務なのかもしれない。



     荒 野人