竜胆は、仲秋の季語だけれど「筆竜胆」は春の季語である。
意識して探さなければ分からないほど、小さくて可憐な紫色である。
おそらく遠目では「スミレ」にしか見えない。
それほど背の低い鼻である。
この筆竜胆は、秩父美の山で見つけたのである。
春の山は色彩が仄かで、心が限りなく静まってゆく。
一方近目でみれば、翠が豊かであって心が安らぐのである。
「野の草や豊かな小さき筆竜胆」
かつてより、多くの俳人が竜胆を詠んでいる。
ただし、以下の二人は仲秋の竜胆を詠んでいる。
「りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ」 与謝蕪村「夜半叟句集」
「好晴や壷に開いて濃竜胆」 杉田久女「杉田久女句集」
なかなか素敵な句である。
筆竜胆だと、以下の俳人である。
筆竜胆は、春竜胆とも云う。
「春りんだう入日はなやぎてもさみし」 安住 敦
「筆竜胆山下る子が胸に挿す」 廣瀬町子
筆竜胆のささやかな美しさは、小ささの中にあるのかもしれない。
荒 野人
意識して探さなければ分からないほど、小さくて可憐な紫色である。
おそらく遠目では「スミレ」にしか見えない。
それほど背の低い鼻である。
この筆竜胆は、秩父美の山で見つけたのである。
春の山は色彩が仄かで、心が限りなく静まってゆく。
一方近目でみれば、翠が豊かであって心が安らぐのである。
「野の草や豊かな小さき筆竜胆」
かつてより、多くの俳人が竜胆を詠んでいる。
ただし、以下の二人は仲秋の竜胆を詠んでいる。
「りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ」 与謝蕪村「夜半叟句集」
「好晴や壷に開いて濃竜胆」 杉田久女「杉田久女句集」
なかなか素敵な句である。
筆竜胆だと、以下の俳人である。
筆竜胆は、春竜胆とも云う。
「春りんだう入日はなやぎてもさみし」 安住 敦
「筆竜胆山下る子が胸に挿す」 廣瀬町子
筆竜胆のささやかな美しさは、小ささの中にあるのかもしれない。
荒 野人