エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春深し

2016年04月14日 | ポエム
光が丘公園の春は、ますます深まってきた。
ソメイヨシノは終わり、蕊降るから花は葉にの候へと移ろった。

いま、里桜、山桜と云った白系の桜が見頃である。



都会の里桜は、寂しい。
新緑は、いくら色を重ねても緑である。

木々の黒い幹が、より鮮明に目に飛び込んでくる。
そんな季節である。



ぼくは「雨が降る前だよ!」との声に押されて歩きに出かけたのであった。
天気予報では、とうに雨が降っていても良いのだけれど晴れ間すら見える。



変な天気である。
夏なら「天気雨」で一句ものにしたいところである。







「一本の何処を棲家の里桜」







夕方、家路につくまで雨は降らなかった。
夜半から雨だと云う。

明日の朝は、きっと赤い蕊が道路と云う道路を染め抜いているだろう。
正しく、蕊降る候である。

この雨が、葉の生育を促す。
葉桜はもうすぐである。

散歩途中「シダーローズ」を幾つか拾った。



昨日今日の風邪が吹き落としたのであろう。
誰にも踏みしだかれず、ささやかに落ちている。



公園のベンチで記念写真!
この時期に拾えるとは、思いもよらなかった。

なんだか嬉しくて、ほっこりとした。



     荒 野人