エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

さらば夏の光よ!

2016年10月20日 | ポエム
夏日が二日続いている。
肌は湿っていて、しかし風が肌を過ぎ行く時爽やかである。
日ざしは、夏である。

二律背反の季節なのだ。



見上ぐれば、雲は秋なのに・・・。
風も秋である。



だがしかし、陽射しは夏なのだ。
汗ばむ肌に、愛おしさが募る。

さらば夏の光よ!
そう云って、ぼくはズンズンと歩いた。



池の面は、穏やかであった。
時々風の息がかかると、泡立って風情が増した。
真中あたりの泡立っている面は、風の成せる業である。







「すれ違ふ風に微かな秋の色」







さらば夏の光よ、秋に入ってゆく。
躊躇う必要も無いほど、光も穏やかだ。




     荒 野人