エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

遅れた春もある

2012年05月17日 | ポエム
遅ればせながら・・・と世間に顔を出す春もある。

近所の植え込みだけれど・・・蕨が一本顔を出していたのである。
まだ、ぎりぎりで食べられる。



だがしかし、一本だけでは勿体無い。
折角顔を出したのだからすくすくと伸びていってほしいのである。





  さわらびの遅くてごめんと一本  野人






これは薄暮の中で撮ったのだけれど、レンズが明るいせいで明るく写ってしまった。
夜目遠目で眺めたスズランを詠いたかったのだけれど・・・。




  夜目遠目浮き上って咲くスズランや  野人






シランである。
紫蘭と書く。




  シラン咲き時たおやかや君が笑む  野人





このシラン。
白いシランもあって群れて咲くと美しい。

紫と白が混ざり合うと、目立つ花に変わってしまう。
それも良いのかもしれない。



ドウダンツツジである。
しかもこれは紅色ドウダンである。

実に美しく咲くのである。




  俯けば隠れて咲けり紅満天星  野人






今日から、二日間日光方面に行く・・・つもりである。
戦場ヶ原周辺の新緑を愛で、身体中に新鮮な空気を充填してきたいと思っている。

明日は、ブログお休みいただきたいのである。
久しぶりのお休みである。





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      荒 野人

デジブック 『讃歌』

2012年05月16日 | ポエム
再び、デジタル・ブックで春を詠んだ。
山の春は遅い。
だが例えようもなく美しい。



とりわけ林檎の花はかそけき可憐さで迫ってくる。






デジブック 『讃歌』







橋脚にかかる藤棚は、そのスロープと相俟って素晴らしい景色である。



白藤は紫の藤より遅く咲く。
その遅さが愛おしい。

遅れてきた子ほど、可愛い。
その例え通りである。




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      荒 野人

ユリノキの花とミヤコワスレ

2012年05月15日 | ポエム
この雨は一体何時から降り始めたのだろうか。
夜来の雨はまだ止むことなく、しとしと降り続いている。
しっとりとした朝である。

今日は5.15・・・沖縄が日本に復帰した日である。
それまでは、沖縄にはパスポートが無ければ行けなかった。
アメリカの支配下にあったのである。

沖縄は、唯一地上戦が戦われた。
実に、市民の4人に一人が戦で亡くなっている。
血の代償の上に日本に戻って来たのであった。

この雨は沖縄の涙である。

その涙を洗い流すように、ユリノキの花が咲いた。



なんという清潔な花であろうか。
黄色でいながら、猥雑な印象は全く無いのである。







  ユリノキのうす黄色なる花はじけたり  野人





この花からは多量の蜜(みつ)がとれるのである。
かつてUSAの原住民はこの木で、カヌーを作ったとされている。
従って、USAには大きなユリノキが無くなった・・・などと言われているのである。

花言葉は「見事な美しさ」「幸福」「田園の幸福」である。

ぼくは、この田園の幸福が好きである。
この花は、高いところで咲いているのだけれど幸運にして花が目の前にあったら、そっと顔を近づけてみる事だ。

甘やかな匂いに満たされる。
幸福な匂いである。



これはミヤコワスレである。






   ミヤコワスレという錯覚


  ぼくの時代が
  かつてあったと
  思いたまえ
  しかも
  内なる時代が
  あったのだ
  と

  ミヤコワスレ
  に
  今ぼくは慟哭する

  その紫いろの
  袈裟を
  ハラリと纏った
  あなたの記憶に







いまが盛りの初夏の花。

やまとしうるわし・・・

四季を満喫するしか無い。
ではないか!







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      荒 野人

ジャスミンのかほり

2012年05月14日 | ポエム
「シクラメンのかほり」小椋佳の楽曲にありましたね。
「おれたちの旅」「さらば青春」が愛唱歌であります。

だがしかし、いまは初夏の節季なのだ。



従って「ジャスミンのかほり」なのである。
街を歩いていると、どこからともなく漂うジャスミンの強いかほりに、思わずキョロキョロ。



夜、近所の生垣まで行って写真を撮った。
暗ければ暗いほど・・・その正体は見えて来ない。

気配はすれども、姿は見えず・・・。
そんなジャスミンのかほりだ。







  ジャスミンや匂いのほかは悟られず  野人


  ジャスミンの気配のままの薄暮かな  野人


  ジャスミンや抱ける女の艶めかし  野人








ジャスミン茶がその湯気に含む妖艶な気配は、このかほりに由来する。
そんな幻想すら持ってしまうのである。

とまれ南洋特有の芳香ではある。



ジャスミンの花も、3割は枯れているのだけれど、それでも香りは強い。
この状態でも、噎せかえってしまうほどだ。

沖縄の「さんぴん茶」は日本のジャスミン茶である。
我が家では、この「丸忠印のさんぴん茶」が好物である。



ティー・バッグ形式もあるけれど、我が家では茶葉で買う。
沖縄に行けば、那覇市のマーケットで購入するけれど、普段は銀座の沖縄アンテナショップ「わしたショップ」で買うのである。
中国名では「香片茶(シャンピェンチャ)」もしくは「茉莉花茶(マツリカチャ)」と呼ばれれジャスミン茶の一つである。
ジャスミンは、爽やかな香りとスッキリとした味わいが特徴であって、味の濃い料理との相性に優れているのである。

嗚呼、ジャスミンやジャスミンや。
と芭蕉は詠むのだろうか。





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      荒 野人

デジブック 『立花の春』

2012年05月13日 | ポエム
からまつ同人・立花さんが春を詠んだ。
春を満喫しつつ、身辺に目を凝らして感性を研ぎ澄ませて詠むと、春はこう形を変えるのである。



ムラサキハナナを詠んだ。



若葉を詠んだ。

そして・・・夜桜を詠んだのである。








デジブック 『立花の春』









そして竹林を詠んだのである。
「たかんな」の季節のほんの少し前の気配である。






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      荒 野人