餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

誰が干し柿だって?

2021-09-04 22:43:36 | 本と雑誌

小田菜摘「平安あや解き草紙 その姫、後宮にて天職を知る」読了。
左大臣の父親が先帝の勘気を蒙り入内話が消えてしまった藤原伊子。その後東宮が帝位につかないまま亡くなり、先帝の孫にあたる親王が立坊します。当時七歳。すでにその時二十歳を過ぎていた伊子の入内の道は事実上絶たれました。しかし昨年先帝の崩御を受け十六歳のなったばかりの東宮が帝になり、左大臣家の運気が変わります。なんと伊子に帝から入内の要請が来て。しぶしぶ伊子は尚侍として後宮に入ることになります。そこで何故か後宮の問題を次々解決することになって。
もう出て来る面々が魅力的。いつもツンツンと伊子をライバル視する藤壷の女御、やたら伊子に懐いているまだ八歳の王女御、昔いい仲だったのにひどい文をもらって別れた高那、ぶしつけな乳母千草。ぶつぶつ言いながらも翻弄している伊子が頼もしいです。今も昔も働く女性は素敵です。