米澤穂信「冬季限定ボンボンショコラ事件」と前田まゆみ「おさんぽ」読了。
「冬季-」冒頭でいきなり小鳩君が宙に舞っているのには驚きました。小山内さんと鯛焼き屋さんに寄って土手の上を帰る途中。鯛焼きを食べている小山内さんを小鳩君が突き飛ばして鯛焼きが飛んで行ったので小山内さんが小鳩君を睨んでいたのがスローモーションで見えていたのがらしい。先に向かって来る車に気づいた小鳩君が突き飛ばしたのですが、そこで小鳩君の意識が飛んでいるからこれは後で恨まれそうと想像して怖かったです。病室で目が覚めた時小山内さんからのメモが置いてありました。「ありがとう ごめんなさい ゆるさないから 小山内」怖いよ。まあゆるさないからの前には吹き出しがついて「犯人が」とありましたけど。寝台探偵(ベッド・ディテクティブ)の開幕です。
「おさんぽ」幼児絵本になるのかな。可愛い色鉛筆画で小さな子供がおさんぽに行って色々見つけ触れ合う絵本です。道のわきの原っぱにいっぱいのお花。ふーしたいたんぽぽ。あれたんぽぽの下にもぞもぞだんごむし。赤い花にもんしろちょう。近寄ろうとしたら飛んで行ってしまいます。よそんちのブロック塀の上と車の下と横に猫。兄弟なのか親子なのか毛並みが似ています。ブロック塀の上の猫は眠っている。向こうの角からとことこお散歩の子犬。こんにちはと顔を見てしっぽを振ってくれます。その隣の家を囲むように細い花壇。水連鉢が置いてあり金魚がいます。覗くとすいすい気持ちよさそう。横の菫の下には蟻が列になって歩いています。チューリップも植わっている。咲きそう。庭の木には雀が飛んできてとまったよ。さあ帰ろう。
最期にひいた場面になってわかるのですが、隣の隣の家まで行って帰っただけです。なのにお友達にいっぱい会えています。金魚が鉢の場面とアップの絵と鉢の隣のチューリップと一緒と最後の遠景にもちっちゃくいます。真っ赤な琉金。かわいい。私も外に鉢が置いてあるとつい中を見てしまうのよね(それは不審だ)。視点が低いとお友達が増えそうです。寝ている猫近づくと嫌われるけど。
瑞希ちこ「我慢ばかりの『お姉様』をやめさせていただきます! -婚約破棄されましたが、国を守っていたのは私です。お陰様で追放先で村づくりを謳歌しているのでお構いなく-」読了。
いつにもましてタイトル長いぞ。伯爵家の双子の姉で大聖女のアナスタシア。華やかな妹と比べられながらも地味に生きて来ましたが、婚約者強奪&冤罪を被せられ辺境へ追放されてしまう。家族と縁を切り魔物が現れる終末の村に送られる。しかしアナスタシアはすべてから解放されたとのびのび。実はアナスタシアは本物の大聖女でもあり魔物使いの才能も有り。早速森の魔物と仲良くなりクロマルと名前をつけ護衛を頼んでいます。魔物を全部倒すと息巻いている騎士ユーインにも出会い。村の人達と何とか仲良くなり生活を続けます。ところが王都の方で魔物が出て、アナスタシアは呼び戻されるはめに。もう戻りたくないのに。無事アナスタシアは村に帰れるか。
魔物使いというけど魔物に言うことを聞かすというのではなく、魔物たちと仲良くなってお願いを聞いてもらうという感じです。みんながアナスタシアに懐いていて会いたがっている感じ。うん、猛獣使いというよりムツゴロウさんね。羨ましい才能です。