セウォル号の沈没事故で韓国内が騒然としていると日本の報道各社が伝えている。19日にはこのような報道が目を引いた。子どもの生存を願う行方不明者家族の心理を悪用し、「金を出せば救出してあげる」と持ち掛ける詐欺が横行している、とのこと。民間潜水業者の関係者と名乗る人物が行方不明者家族に接近し、「1億ウォン(約990万円)を出せば子供たちを船から救い出す」と誘う事例があったという。混乱に乗じた火事場泥棒や詐欺商法は日本でも東日本大震災の折、ニュースにもなったが、これだけ限定された行方不明者家族に持ち掛けるとなると、犯人も特定されるのではないか。
韓国のテレビ局の無神経なインタビューも話題になった。テレビ局の記者が事故現場付近での取材で、助かった女子生徒に対し、「友達死んだの、知ってるか」と質問し、その生徒は「知らない。聞いていない」と大声で泣きだした。このシーンが放送され、視聴者の批判が殺到したのはいうまでもない。現場では緊張感がみなぎっているので違和感なく記者がインタビューしたつもりでも、視聴する側の茶の間感覚では悲しみにくれる生徒にさらに追い打ちをかけるような行為に見えるものだ。気になったのは、このシーンは生中継で送られた映像なのかどうかということだ。普段このような映像が現地から送られてきた場合、本社での編集段階で問題となって、映像を使うのを取りやめるケースが多々ある。しかし、生中継の場合はダイレクトに各家庭に映像が飛び込んでくるので、こうした問題の画像は防ぎようがない。今回はどのケースだったのだろうか。
誤解を招く行動も問題となった。セウォル号の沈没事故に近い港に派遣されていた韓国・安全行政省の幹部職員が、記念写真を撮ろうとしたとして、安否不明者の家族らの猛反発を招いた。批判は国内中に広がり、大統領府(青瓦台)は21日、幹部職員を解任したと報じられた。「李下に冠を正さず」という言葉がある。単なる写真撮影でも自分自身のバックに現場が入ったアングルならば記念撮影ととられても仕方がない。現場はそれほどにナーバスなのだ。
19日、事故後に救出された安山市檀園高校の教頭(52歳)が首をつって死亡しているのが発見された。教頭は、行方不明者の親族らが宿泊している珍島の体育館近くの木で、自分のベルトで首をつったという。自責の念にかられたのだろうか、あるいは、行方不明者家族から、生徒たちを船に残し、自ら助かったこを糾弾されたのだろうか。沈没事故にまつわるニュースの多様さが、混沌とした現場の様子を物語る。
⇒21日(月)夜・金沢の天気 くもり

誤解を招く行動も問題となった。セウォル号の沈没事故に近い港に派遣されていた韓国・安全行政省の幹部職員が、記念写真を撮ろうとしたとして、安否不明者の家族らの猛反発を招いた。批判は国内中に広がり、大統領府(青瓦台)は21日、幹部職員を解任したと報じられた。「李下に冠を正さず」という言葉がある。単なる写真撮影でも自分自身のバックに現場が入ったアングルならば記念撮影ととられても仕方がない。現場はそれほどにナーバスなのだ。
19日、事故後に救出された安山市檀園高校の教頭(52歳)が首をつって死亡しているのが発見された。教頭は、行方不明者の親族らが宿泊している珍島の体育館近くの木で、自分のベルトで首をつったという。自責の念にかられたのだろうか、あるいは、行方不明者家族から、生徒たちを船に残し、自ら助かったこを糾弾されたのだろうか。沈没事故にまつわるニュースの多様さが、混沌とした現場の様子を物語る。
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