自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★イフガオにて‐下

2014年11月15日 | ⇒トピック往来
  イフガオの現地入りに先立ち、11月12日、JICAフィリピン事務所を訪ね、丹羽憲昭所長、小豆澤英豪次長に、JICA草の根技術協力(地域経済活性化特別枠)事業「世界農業遺産(GIAHS)イフガオの棚田の持続的発展のための人材養成プログラムの構築支援事業」の進捗状況を説明した。プロジェクトの実施責任者である中村浩二特任教授が昨年11月の事業採択内定から、現地パートナーとのミニッツ(合意文書)の締結、現地説明会、イフガオGIAHS持続発展協議会とイフガオ支援協議会(能登)の設立、カリキュラム作成、受講生募集、現地調整員の赴任、ワークショップ開催、講義の開始、能登研修などの流れを説明。「ソフト事業はカタチが見えにくいが、人材養成は大学ならでは試み」と述べたのに対し、丹羽所長からは「モデル事業として成功させてほしい」と期待が寄せられた。

      イフガオ州大学長「イフガオ棚田を今後2000年持続していく」

  14日、イフガオ里山マイスター養成プログラムの第6回の講義がイフガオ州大学で行われた。今回日本からのイフガオに訪れた講師陣は多彩な顔ぶれだった。能登里山里海マイスター育成プログラムの教員、小路晋作特任准教授とシュクル・ラフマン教務補佐員、国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)のイヴォーン・ユー研究員の3人が講義を行った。

  小路氏は「“Noto Satoyama Satoumi Meister” Training Program: an outline」と「Ecosystem approach for Noto’s Satoyama Satoumi」の2つをテーマに能登里山里海マイスター育成プログラムの取り組みの現状と自然と共生する農林水産業について解説。シュクル氏は「Intangible Cultural Heritage」と「My Experience of Meister Program in Noto」と題して、能登の「アエノコト」などユネスコ無形文化遺産について説明し、能登里山里海マイスター育成プログラムの修了生たちの取り組みを紹介した。イヴォーン氏は「GIAHS monitoring and role of OUIK in GIAHS Twinnig Program」のテーマで世界農業遺産の発展させるためのモニタリング調査の重要性と国連大学の役割、今後の連携を説明した。

  ゴハヨン・イフガオ州大学長はイフガオ里山マイスター養成プログラムの意義についてこう述べた。「私たちは、能登マイスターと同じだけの情熱とエネルギーでイフガオ里山マイスターに取り組んでゆく。このプログラムが、FAOによって認定されたGIAHSイフガオ棚田を保全し、活性化することを信じます。イフガオ棚田は、私たちの祖先が、2000年かけて築き上げてきた遺産であります。私たちは、これをこれからの2000年にわたり持続してゆく」。学長のこの言葉にイフガオ再生を成し遂げる決意を感じた。

⇒15日(土)イフガオの夜   はれ  

  

  

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