昨夜(23日)金沢市の石川県立音楽堂コンサートホールで催された、荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)の演奏に聴き入った。石川県音楽文化協会などの主催で、もう52回目となり、県内では季節の恒例のイベントとして定着している。「キリエ (Kyrie)憐れみの讃歌」、「グロリア (Gloria)栄光の讃歌」、「クレド (Credo)信仰宣言」、「サンクトゥス (Sanctus)感謝の讃歌」、「アニュス・デイ (Agnus Dei)平和の讃歌」と進むちうちに心が高まった。80分の演奏時間は、決して「長い」とは感じなかった。むしろこの一年の出来事が思い出され、脳裏が高揚感と清明感にあふれたのは私だけだろうか。今回のコンサートを聴きながら2014年を振り返るよいチャンスにもなった。「2014ミサ・ソレニムス」と題して、この1年を回顧したい。
~ 学生たちは総選挙に何を思ったのか、意識調査から推察したこと ~
ことし1年の世情のニュースで衝撃だったのは、年の瀬の予期せぬ衆院選挙が。安倍内閣の支持率が下がっていたこのタイミングで、消費税増税の延期を国民に問うというシナリオで描かれた選挙だった。自民単独で290議席を確保した。民主党がアベノミクス(安倍政権の経済政策)の破たんを訴えたが、代案が見えてこないので国民は現政権をある意味で冷静に支持したのだろう。ただし、投票率は戦後最低に下がり52%だった。
大学で学生たちに授業(メディア論)を行ったいて、いつも気になっているのが若者の政治参加のことだ。若者たちに政治参加する意欲や気持ちが失われれば、民主主義も早晩危ういと日頃感じているからだ。そんな折、12月14日の投開票の衆院選を、大学生はどう考えているのだろうかと調査する機会に恵まれた。朝日新聞社と北陸朝日放送の協力を得て、11月18日に金沢大の学生に、メディアや政治に関する意識調査を実施した。その中から、衆院選に関する質問についての回答を今回紹介する。回答者は私が担当する「ジャーナリズム論」の受講生131人。
授業で選択式や自由記述の質問に答えてもらった。131人のうち男性は105人、女性26人で、18歳と19歳が112人を占め、文系が43人、理系が88人だった。
「最近、気になるニュースは何ですか?(複数回答可)」という質問(回答は記述式)に対しては、「消費増税」の問題を30人が挙げ、最も多かった。続くのが「衆院の解散総選挙」に関する19人だ。このほか、「GDP(国内総生産)のマイナス成長」や赤サンゴ密漁をはじめ日中や日韓関係に関する問題が挙がった。「消費増税の先送りについて民意を問うという安倍総理の衆院解散について、党利党略という指摘がありますが、あなたは今回の衆院解散をどう思いますか」と聞くと(回答は選択式)、「賛成」または「どちらかといえば賛成」が計29.0%で、「反対」と「どちらかといえば反対」の計26.7%を上回った。ただし、44.3%は「わからない」と答えた。「党利党略という指摘」との説明がなければ賛成がもっと多かった可能性がある。質問の仕方が違うが、朝日新聞社の11月の世論調査では、「この時期の解散、総選挙」について「賛成」は18%、「反対」が62%だった。つまり、意識調査に参加した多くの学生たちには選挙権はないが選挙に賛成する傾向があった。その理由とは何だったのか。
「選挙の最大の争点は何だと思いますか」という問い(記述式)では、回答した117人のうち55人が「消費増税」関連を書いた。続いて「アベノミクス」についての16人。このほか「憲法改正」「女性議員の登用」などが挙がり、「わからない」が26人だった。上記の数字から以下推察した。
解散賛成が反対を上回った点について。円安で食料品を中心に値上がりしており、仕送りで生活する学生にとって消費増税はダブルパンチだ。そこで、増税延期への民意を問うというのだから選挙には賛成が多いのだろう推測した。気になるニュースや争点の質問でも増税やアベノミクスへの関心が高い。学生のアルバイトの時給がこのところ値上がり傾向で、アベノミクスを実感しているのは学生かもしれない。
学生たちは自民や民主ほかの政治的な主張には耳を傾ける傾向は薄い。ただ、現実問題として政治が学生たちの生活にどうかかわるのかといった点では関心があるだろう。調査後に学生たちに感想を聞くと、「衆院選の争点が何かという設問が書きづらかった」(男性)、「政治に関する質問は、普段考えないので難しかった」(女性)という声があった。おそらく学生たちにとってこの意識調査が政治への関心の入り口になってほしいと個人的に期待したい。
⇒24日(水)朝・金沢の天気 くもり
~ 学生たちは総選挙に何を思ったのか、意識調査から推察したこと ~
ことし1年の世情のニュースで衝撃だったのは、年の瀬の予期せぬ衆院選挙が。安倍内閣の支持率が下がっていたこのタイミングで、消費税増税の延期を国民に問うというシナリオで描かれた選挙だった。自民単独で290議席を確保した。民主党がアベノミクス(安倍政権の経済政策)の破たんを訴えたが、代案が見えてこないので国民は現政権をある意味で冷静に支持したのだろう。ただし、投票率は戦後最低に下がり52%だった。
大学で学生たちに授業(メディア論)を行ったいて、いつも気になっているのが若者の政治参加のことだ。若者たちに政治参加する意欲や気持ちが失われれば、民主主義も早晩危ういと日頃感じているからだ。そんな折、12月14日の投開票の衆院選を、大学生はどう考えているのだろうかと調査する機会に恵まれた。朝日新聞社と北陸朝日放送の協力を得て、11月18日に金沢大の学生に、メディアや政治に関する意識調査を実施した。その中から、衆院選に関する質問についての回答を今回紹介する。回答者は私が担当する「ジャーナリズム論」の受講生131人。
授業で選択式や自由記述の質問に答えてもらった。131人のうち男性は105人、女性26人で、18歳と19歳が112人を占め、文系が43人、理系が88人だった。
「最近、気になるニュースは何ですか?(複数回答可)」という質問(回答は記述式)に対しては、「消費増税」の問題を30人が挙げ、最も多かった。続くのが「衆院の解散総選挙」に関する19人だ。このほか、「GDP(国内総生産)のマイナス成長」や赤サンゴ密漁をはじめ日中や日韓関係に関する問題が挙がった。「消費増税の先送りについて民意を問うという安倍総理の衆院解散について、党利党略という指摘がありますが、あなたは今回の衆院解散をどう思いますか」と聞くと(回答は選択式)、「賛成」または「どちらかといえば賛成」が計29.0%で、「反対」と「どちらかといえば反対」の計26.7%を上回った。ただし、44.3%は「わからない」と答えた。「党利党略という指摘」との説明がなければ賛成がもっと多かった可能性がある。質問の仕方が違うが、朝日新聞社の11月の世論調査では、「この時期の解散、総選挙」について「賛成」は18%、「反対」が62%だった。つまり、意識調査に参加した多くの学生たちには選挙権はないが選挙に賛成する傾向があった。その理由とは何だったのか。
「選挙の最大の争点は何だと思いますか」という問い(記述式)では、回答した117人のうち55人が「消費増税」関連を書いた。続いて「アベノミクス」についての16人。このほか「憲法改正」「女性議員の登用」などが挙がり、「わからない」が26人だった。上記の数字から以下推察した。
解散賛成が反対を上回った点について。円安で食料品を中心に値上がりしており、仕送りで生活する学生にとって消費増税はダブルパンチだ。そこで、増税延期への民意を問うというのだから選挙には賛成が多いのだろう推測した。気になるニュースや争点の質問でも増税やアベノミクスへの関心が高い。学生のアルバイトの時給がこのところ値上がり傾向で、アベノミクスを実感しているのは学生かもしれない。
学生たちは自民や民主ほかの政治的な主張には耳を傾ける傾向は薄い。ただ、現実問題として政治が学生たちの生活にどうかかわるのかといった点では関心があるだろう。調査後に学生たちに感想を聞くと、「衆院選の争点が何かという設問が書きづらかった」(男性)、「政治に関する質問は、普段考えないので難しかった」(女性)という声があった。おそらく学生たちにとってこの意識調査が政治への関心の入り口になってほしいと個人的に期待したい。
⇒24日(水)朝・金沢の天気 くもり