先日、輪島市のショッピングセンターに立ち寄ると、掲示板にアニメのポスターが2枚貼ってあった。なんだろうと近いづいて見ると、右の一枚は「令和6年 輪島市 二十歳の集い」とあり、左は「令和7年 輪島市 二十歳の集い」とあった。成人式を開催するポスターだった。去年は元日に能登半島地震があり、成人式は中止となっていたので、ことしの開催となり、ことしの成人式と重ねて開催するという意味で並べて貼ったのだろう。場所は輪島市立輪島中学校アリーナで同じだが、令和6年の成人式は1月11日、令和7年の成人式は1月12日とあり、それぞれ開催する日が異なる。
それにしてもアニメを用いたポスターは、少々派手で楽しい雰囲気を醸し出している。アニメそのものが素人ぽくない。ポスターを制作したのは輪島市教委の生涯学習課で、SNSで話題になり、参加者が増えるように仕掛けたのかもしれない。
輪島市でアニメと言えば、朝市通りには人気スポットの「永井豪記念館」があった。あの『マジンガーZ』や『キューティーハニー』などの漫画家・永井豪氏は同市出身で、2009年に行政が記念館を創り、永井氏は名誉館長を務めていた。日本のアニメが海外でも大ブームとなり、永井氏の『UFOロボ グレンダイザー』などがヨーロッパで人気を博すと、記念館へのインバウンド観光の見学者も増えていた。そして、永井氏は2019年、フランス政府から芸術文化勲章「シュバリエ(騎士)」が贈られた。記念館も絶好調だった。
その記念館は能登地震で朝市通り一帯が焼けて、ビルも焼け焦げた。展示してあった原画や一部のフィギュアなどの展示物などは無事だった。その後、ビルは公費解体で撤去された。永井氏と所属プロダククションは輪島市と石川県にそれぞれ1000万円、計2000万円の義援金を贈っている。永井氏は「漫画はつらいときこそ、力になって希望を満たすことができる。漫画を描くことで『前に進もう』というメッセージを伝えたい」と語っていた(2024年1月25日付・読売新聞オンライン)。
去年5月29日、永井氏は石川県の観光大使の委嘱を受けた。「復興支援も続けていきたい」と述べ、永井豪記念館の再開にも意欲を示した(同6月1日付・同)。震災でふるさと愛がふつふつとわいてきたのだろうか。能登復興の先進事例として、永井豪記念館の再建でその役割を果たしてほしいと願う。
⇒12日(日)夜・金沢の天気 くもり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます