参院特別委で安保関連法案が可決したきょう17日、東京へ日帰り出張があった。出張先が国会議事堂の近くだったこともあり、帰りにタクシ-で国会周辺を一回りした。雨が時折強く降っていた。
金沢でテレビを視聴ていると、最近、安保法制に関して「国会周辺では…」とのフレーズをやたらと耳にする。国会内での政治的な動きより、むしろ外の動きをメディアは気しているのではいかと思うほど、アナウンサーやキャスターが「国会周辺では…」と繰り返している。そこで、国会周辺は一体どうなっているのか、どのような人たちが行動を起こしているのか、気になったので、ちょっと現場を覗いてみたということだ。滞在時間はわずか15分ほどだった。
タクシーの運転手に尋ねると、きょう(17日)は、午前9時ごろから国会正門前で抗議集会が始まり、「戦争法案、今すぐ廃案」と訴えていたという。訪れたのは午後2時ごろ。雨が断続的に降っているが、雨具を着た人たちが「強行採決、絶対反対!」などと叫んでいた。道路両側の歩道は目算で150㍍ほどが人で埋め尽くされていたという印象だった。
気がついたことが2点あった。テレビメディアなどでは、若者たちの抗議グループ「SEALDs(シールズ)」がよく抗議の声を上げている映像や写真が掲載されているので、大学生たちが大勢い活動に加わっているのだと思っていた。いまは学生は夏休みでもあり、日中でも一番動きやすい時期でもある。ところが、若者らしき姿はちらほら見えるが、グループ化していないのだ。唯一目にしたのは「○○美大有志」というプラカードはあった。かつての「70年安保」のように、学生たちが「○○大学学生自治会」といった横断幕やプラカードを多数掲げてのデモの先頭を行進するイメージをしていたのだが、そうではない。
むしろ目立ったのは、「○○教組」「国労○○」「自治労」「新日本婦人の会○○」といった政党と結びついた組織だった。それも、地名を読むと全国から来ている。つまり、「組織動員」という感じなのだ。
近年にない、国会周辺での盛り上がりなのだが、来る参院選で選挙権が与えられる18歳からの若者世代がどう動くのか。「SEALDs」の代表はよくテレビに出て発言しているが、彼が本当の若者たちのシンボルなのか。安保法制をめぐる動きからはまだ学生・若者たちのトレンドが読めない。(※写真は17日午後2時ごろ、国会正門前の道路で)
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