自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★辺野古から-上

2015年09月23日 | ⇒トピック往来
   昨日(22日)、沖縄県の翁長知事がジュネーブでの国連人権理事会で、アメリカ軍基地の県内移設は「沖縄をないがしろ」と2分間のスピーチを行ったことは沖縄県の新聞各紙で朝刊一面の大見出しで伝えられた。一方、移設先の辺野古では連日100人ほどの基地反対派が移設作業が進むアメリカ軍基地キャンプ・シュワブのゲート前に集まり、集会を開いている。そんな、辺野古を様子をこの目で現場を見たいと思い、22日夕方に石垣島から410㌔㍍離れた沖縄本島に移動した。55分のフライトだった。23日午前、タクシーを借り切り現場に赴いた。レンターカーではなく、あえてタクシーをチャーターした。土地の人の話を聞きたかったからだ。

   キャンプ・シュワブのゲート前、現場はものものしい雰囲気が漂っていた。正門の道路を挟んだ向こう側には基地反対派のテントが張られて大音響で入れ替わり、立ち代わりアジテートの演説が行われている。タクシーでその前を走行すると、「辺野古新基地NO!」などのプラカードが車から見えるように道路側に差し出されるのである。正面で陣取っていた人がいた。「辺野古埋立阻止」のプラカードを持って、椅子に腰かけている。基地と歩道の境界線である黄色い線を超えないように、公道ギリギリのところでアピールしている=写真=。

   旗を見ると「○○民主商工会」や「ヘリ基地反対協」、「平和運動センター」、「平和市民連絡会」といった組織の名前が目立つ。地元辺野古の街中では目立った反対の看板が見当たらない。タクシーの運転手によると、地元の辺野古地区では条件付きで辺野古移設を容認している、という。地元と反対派は一体化していないようだ。

先日19日には現地でこのような事件も起きた。21日付の琉球新報によると、キャンプ・シュワブのゲート前で、抗議行動に不満を持つ男女の集団が19日午後10時半ごろから20日午前1時すぎにかけ、反対派らが設置しているテント内の机をひっくり返したり、移設反対のメッセージなどを記した横断幕をカッターではがしたりした。傷害容疑で逮捕された容疑者は酒を飲んでいた。現場を襲った集団は「テントをどかせ」「(基地を移設しないと)中国が攻めてくるぞ」などと言いながら、反対派ともみ合いとなり、現場は騒然とした。集団は「民族団体」を名乗り、19日昼すぎから断続的に現れ、挑発した。警察車両が7台前後が到着し、警察官ら15~20人前後が駆け付けて対応したが、しばらくもみ合いが続き、20日午前1時すぎに沈静化した、と。

   記事での続報がないので、現場で暴れた男女にどのような政治的な背景があったのかなどはわからない。沖縄に来なかったら、このような現地の騒乱はニュースとして目にとまらなかったかもしれない。

⇒23日(水)夜・那覇市の天気    はれ
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