これまでの林業のイメージがガラリと変わった。山林での木の切り出しは、林業機械 ハーベスターで立木の伐倒、枝払い、玉切り(規定の寸法に切断)、集積がその場で行われる。まさに1台4役なのである。これまで伐採や枝払いはキコリの職人技とばかり思っていた。林業機械を操縦するのは人だが、まるで山で働くロボットの光景だ。
昨日(1日)金沢大学が実施している社会人の人材養成事業「能登里山里海マイスター育成プログラム」で、森林行政や木材加工に携わる受講生たちがチームで開催した「林業ワークショップ」があり、仲間内の勉強会なのだが、参加させてもらった。開催趣旨は「林業の現場でも機械化が進み、安全性と効率に優れた伐採・搬出用の様々な機械が活躍しているが、森林所有者や住民が目にする機会はこれまでほとんど無かった。知られざる木材生産のプロセスを間近で体験できるワークショップ」。
午前9時、能登空港に集合し乗り合いで山林に入った。アテ(能登ヒバ)とスギの50-60年の人工林だ。ハーベスター=写真=が機敏に動いている。立木の伐倒、枝払い、玉切りなど造材を担うのはハーベスターヘッド。枝払いなどは1秒で5㍍もアッという間に。ディーゼルエンジンに直結した発電機で発電し、発電機から得る電力でモーターを駆動させる。燃料のこと気になって、休憩に入った操縦士に質問すると。1回の給油(軽油)で160㍑、2日でなくなるので1日当たり80㍑の計算だ。現地を案内してくれた能登の林業者は「道づくりは山づくりなんです。道づくりによって、山の資産価値も高まるんです」と。なるほど、その道づくり(森林作業道)も別の重機でこなしていく。山にマシーンは欠かせない。
丸太切りで造材された木材は木材市場に運ぶのではなく、渡場(ドバ)と呼ばれる近くに設置した集積場に運搬車で運ぶ。ここに買い付け業者が来て、売買が始まる。いわゆる「山の地産地消」だ。トレ-サビリティでもある。これまで、ひと山いくらで売買が成立して、伐採したものは製材所に運ばれていたが、使える木と使えない木があった。そこで、現地で交渉して必要な木材を選んで交渉する。チップ材、あるいはベニヤ材、それぞれ用途に応じて業者が買い付けにくる。
もう一つ、林業のイメージを変える光景があった。女性が関わっていることだ。この林業者は女性を「林業コーディネーター」として女性を採用している。5年前に法律が改正されて、森林所有者、あるいは森林の経営の委託を受けた業者が森林経営計画書を市町村などに提出して、伐採や造材、出荷など行う。その面積は30㌶以上であり、複数の山林の所有者に林材の切り出し、つまり山の資産価値を説明して事業計画に参加してもらう必要がある。
とは言え、能登の山は「木材生産林として使えるのは3分の1しかないのが現状です」とSさん。3分の2が使えない理由はいくつかある。たとえば、道をつけるにしても山の境界が分からない、所有者が不明というケースが多い。また、能登の場合は農業用水として使う「ため池」などの水源近くで作業をすると、水が濁るの歓迎されないということもままあるようだ。
いくつかハードルを超えて森林経営計画書を提出して認可されれば、所得税や相続税の優遇、金融機関の融資、森林環境保全直接支援事業(造林補助)などの補助金など得て、着手ができる。Sさんは「手入れされた森林を次世代につなぐこと。木材の価値を高め、利益を山に還元することを丁寧に説明すると、山持ちの方は納得してくれます」と微笑んだ。
⇒2日(木)朝・金沢の天気 はれ
昨日(1日)金沢大学が実施している社会人の人材養成事業「能登里山里海マイスター育成プログラム」で、森林行政や木材加工に携わる受講生たちがチームで開催した「林業ワークショップ」があり、仲間内の勉強会なのだが、参加させてもらった。開催趣旨は「林業の現場でも機械化が進み、安全性と効率に優れた伐採・搬出用の様々な機械が活躍しているが、森林所有者や住民が目にする機会はこれまでほとんど無かった。知られざる木材生産のプロセスを間近で体験できるワークショップ」。
午前9時、能登空港に集合し乗り合いで山林に入った。アテ(能登ヒバ)とスギの50-60年の人工林だ。ハーベスター=写真=が機敏に動いている。立木の伐倒、枝払い、玉切りなど造材を担うのはハーベスターヘッド。枝払いなどは1秒で5㍍もアッという間に。ディーゼルエンジンに直結した発電機で発電し、発電機から得る電力でモーターを駆動させる。燃料のこと気になって、休憩に入った操縦士に質問すると。1回の給油(軽油)で160㍑、2日でなくなるので1日当たり80㍑の計算だ。現地を案内してくれた能登の林業者は「道づくりは山づくりなんです。道づくりによって、山の資産価値も高まるんです」と。なるほど、その道づくり(森林作業道)も別の重機でこなしていく。山にマシーンは欠かせない。
丸太切りで造材された木材は木材市場に運ぶのではなく、渡場(ドバ)と呼ばれる近くに設置した集積場に運搬車で運ぶ。ここに買い付け業者が来て、売買が始まる。いわゆる「山の地産地消」だ。トレ-サビリティでもある。これまで、ひと山いくらで売買が成立して、伐採したものは製材所に運ばれていたが、使える木と使えない木があった。そこで、現地で交渉して必要な木材を選んで交渉する。チップ材、あるいはベニヤ材、それぞれ用途に応じて業者が買い付けにくる。
もう一つ、林業のイメージを変える光景があった。女性が関わっていることだ。この林業者は女性を「林業コーディネーター」として女性を採用している。5年前に法律が改正されて、森林所有者、あるいは森林の経営の委託を受けた業者が森林経営計画書を市町村などに提出して、伐採や造材、出荷など行う。その面積は30㌶以上であり、複数の山林の所有者に林材の切り出し、つまり山の資産価値を説明して事業計画に参加してもらう必要がある。
とは言え、能登の山は「木材生産林として使えるのは3分の1しかないのが現状です」とSさん。3分の2が使えない理由はいくつかある。たとえば、道をつけるにしても山の境界が分からない、所有者が不明というケースが多い。また、能登の場合は農業用水として使う「ため池」などの水源近くで作業をすると、水が濁るの歓迎されないということもままあるようだ。
いくつかハードルを超えて森林経営計画書を提出して認可されれば、所得税や相続税の優遇、金融機関の融資、森林環境保全直接支援事業(造林補助)などの補助金など得て、着手ができる。Sさんは「手入れされた森林を次世代につなぐこと。木材の価値を高め、利益を山に還元することを丁寧に説明すると、山持ちの方は納得してくれます」と微笑んだ。
⇒2日(木)朝・金沢の天気 はれ