自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆広く薄くばらまかれるワクチン

2021年04月13日 | ⇒ニュース走査

   65歳以上のシニアへの新型コロナウイルスのワクチン接種がきのう12日から始まった。自身もその対象なのだが、ニュースを視聴していて期待感どころか、モヤモヤ感がわいてくる。それはなぜか。先行して2月17日から始まった医療従事者への接種は12日までに168万9453回(首相官邸公式ホームページ)とある。ところが、医療従事者は480万人と言われているので、2回打つとなると960万回の接種が必要だ。ということは、接種率は17%にすぎない。

   国のワクチン接種の優先順位は  (1)医療従事者、 (2)高齢者(令和3年度中に65歳に達する人)、 (3)高齢者以外で基礎疾患を有する人や高齢者施設等で従事する人、 (4)それ以外の人となっている(厚労省公式ホームページ)。ワクチンの供給量は限られているので、医療現場に携わる人たちを最優先すべきではないだろうか。

   医療従事者への接種が中途半端なまま、今度は高齢者が対象となった。日本の高齢者は3600万人、7200万回の接種となる。自身が住む石川県ではきょうから接種が始まった。スタートは能登半島の尖端部分にある珠洲市。対象は75歳以上4000人だが、まず接種するのは1500人分。残り2500人は5月下旬以降に接種の見通し(4月14日付・北陸中日新聞)。実は、珠洲市は県内でも感染者ゼロの地域だ。言葉は適切ではないかもしれないが、感染者ゼロ地域にワクチンを回すより、まず医療従事者を優先すべきだ。

   きょう大阪府の新たな感染者が1000人超えと報道されているが、今後東京を含め大都会に感染拡大するであろうことは目に見えている。自身は医療の専門家ではないが、感染症対策としてのワクチンは「選択と集中」が効果を発揮するのであって、広く薄くばらまいても意味はないだろう。大都会での感染を抑えることは地方での感染を抑えることに結果的につながるのではないか。

   逆に、ワクチン供給量が限られているにもかかわらず、なぜ感染者が少ない地方にまで広く薄くばらまくのか。うがった見方かもしれないが、今年の総選挙を意識してのことか。ワクチンは大都会も地方も全県平等に配分せよと政治家たちが裏で動いているのか。「ワクチン担当大臣」は行革担当大臣の河野太郎氏だ。既成概念を突破するリーダーシップを期待しているのだが。ワクチン効果を高めてほしと誰しもが願っている。

(※写真は、ファイザー社のワクチン=同社の公式ホームページより)


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