自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★タイムリーに放った文春「バズーカ砲」

2021年04月23日 | ⇒メディア時評

   いま国民の関心事は「コロナ禍とワクチン」と「東京オリンピックの開催」、そして「眞子さま婚約内定にまつわる問題」の3つではないだろうか。このブログでは、眞子さまの婚約内定については触れてこなかった。が、小室圭氏本人が国民に向けて発表したA4用紙28ページの「文書」(4月8日)がネットで公開されたのを機に感想を書いた(同月18日付)。ブログというのは不思議な媒体で、あるテーマについて述べると、さらに好奇心が沸いて放っておけなくなる。

   新聞広告で「週刊文春」(4月29日号)の「小室圭さん母 『年金詐取』計画 口止めメール」の見出しを読んでコンビニで文春を買い求めた。いわゆる「文春砲」と称されるだけあって、強烈な内容だった。というのも、冒頭の「小室文書」では、母親の元婚約者との金銭トラブルをめぐるもので、2012年9月、元婚約者からの婚約破棄にともない金銭に関する要求はしないとの会話を収めた録音データがあると記されている。「切実に名誉の問題」とまで述べていた。ところが、今週の文春では、見出しの通り「年金詐取」というまったく異なるステージの話が展開している。以下、記事の引用。

   記事の主役は圭氏の母親である。母親が元婚約者に宛てていたメールが紹介されている。「話は変わりますが、パピーとの将来に向けての話し合いの中で要である経済の話しに触れてないですね。私にとって結婚=主人の遺族年金を無くす事なので大切な問題です・・・」(2010年8月31日付)。パピーは当時の婚約者の男性のこと。これを読み進んでいくと、母親が当時の婚約者からの生活費と、元夫が8年前に自死したことによる遺族年金を継続して取得する、いわゆる「二重取り」の意図が読める。遺族年金は一時的でも再婚したり、入籍しなくても事実婚が認められれば受給資格を失う。このために、事実婚であることがバレないように当時の婚約者に口止めを依頼するメールを送っていた。

   記事を読んでいて、ある意味で緻密な計算が仕組まれていたことが分かる。それを印象付けるのが、婚約者の生命保険の受取人を母親に変更する件だ。まったくの他人はで受取人にはなれない。ただ、籍に入れなくても一緒に住まなくても「生計を一つにする」事実婚であれば認められる。遺族年金を失わずに婚約者から生活費を得て、さらに保険金の受取人にこだわる。まるで欲望のドラマで演じられるストーリ-のようではある。小室圭氏が主観的につづった「切実に名誉の問題」文書より、「パピー」に宛てたメールは客観的であり、真実味がある。そして、詐取という事件性が絡むだけに重みがある。

   それにしても、今回の文春の記事は、小室氏側から「文書」公開(4月8日)と「解決金を渡す意向」(同月12日)が続いて国民の関心が引き寄せられた後だけに、実にタイムリーに「バズーカ砲」を放った。

⇒23日(金)夜・金沢の天気     はれ

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