自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆後手後手「アベノマスク」と「スガノワクチン」

2021年04月22日 | ⇒メディア時評

   それにしても対応が遅い。今月20日に待ちに待った65歳以上の高齢者向け新型コロナウイルスの「ワクチン接種券」が金沢市役所から郵送されてきた。さっそく申し込もうと思い、封を切って書類をチェックした=写真=。「予診票」や「接種券」はあるが、肝心の何日から、どこで接種できるのかといった案内のペーパーがない。ひょっとして市役所サイドで入れ忘れたのではないのかと思い、自宅近くの市民センターに出かけた。すると窓口で「ここではワクチンに関することは取り扱っておりません。本庁のコールセンターにお問い合わせください」とけんもほろろな対応だった。

   自宅に戻り本庁に電話をすると、「接種の開始日や、どの医療機関で接種を受けることができるか、まだ、決まっておりません」と。思わず「エッー」と叫んだ。丁寧な電話対応だったが、正直「そんなバカな」と不信感が募った。そもそも肝心なことが決まっていなのに、なぜ接種券を郵送したのか。これに対しては「申し訳ありません。決まり次第ホームページなどでお知らせします」と繰り返すだけだった。受け取った側が混乱するだけではないか。

   翌日21日のテレビのニュースで「金沢市議会で、山野市長が高齢者向けワクチン接種を来月15日に開始、予約は6日から予約を受け付けることを明らかにした」と報じていた(21日付・石川テレビ)。ここでさらなる不信感が。市長が議会で説明するまで情報を伏せたのではないか、と。本来ならば、接種開始など決まれば、議会での説明より真っ先に記者会見して市民に知らせるべきだ。

   予約開始が来月6日だとして、どこの医療機関で受け付けるのか、市役所のホームページで調べたが表記がない。しびれを切らして、きょう22日いよいよ市役所に乗り込んだ。担当は健康政策課だ。「予約が来月6日から開始と市長が議会で発表したのになぜ医療機関の一覧表がホームページに掲載されていないのか。リストがあれば出してほしい」と。窓口の担当者は「決まったのはきのう21日でして、ご迷惑をおかけしております」と「金沢市内医療機関一覧」というA4のペーパーを出してきた。接種が可能な診療所や病院109の医療機関のリストだった。

   「ご自宅の近くの医療機関にそれぞれ電話で申し込むことになります」と説明があった。ところが、リストには住所は掲載されているが、電話番号がかかれてないのだ。「そこまでまだ手が回っておりません。ご自身でお調べください」と。行政も限られた人数での対応であることは理解できなくもないが、それにしても後手後手の対応だ。

   この一件で思い出したのは「アベノマスク」だ。当時、コロナ禍のマスク不足で安倍内閣が国家支給のマスク2枚を全家庭に届けると2020年4月7日に閣議決定した。マスク支給予算は466億円。ところが、4月中どころか5月に入っても届かない。緊急事態宣言が全面解除(5月25日)となって以降、ドラッグストアなどではマスクの安売りが始まっていた。我が家にビニール袋に入った布マスク2枚、あの「アベノマスク」が届いたのは6月1日だった。そして、「スガノワクチン」も後手後手だ。

⇒22日(木)夜・金沢の天気      はれ

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