きょう輪島市の被災地を何ヵ所か見に行った。輪島漁港では地震で海底が隆起して200隻の漁船が港から出れなくなっていて、海底の土砂をさらう浚渫(しゅんせつ)作業が行われていた。北陸地方整備局の公式サイトなどによると、漁港内は震災前は水深3㍍から4㍍だったが、地震で1㍍から2㍍の隆起が確認されている。「板子一枚、下は土砂」の状態のようだ。漁船が移動するには水深2.5㍍から3㍍が必要とされる。このため、同整備局が2月16日から浚渫作業を行っている。
現場に着いたとき、浚渫作業は休止していた。クレーンを搭載した船1隻が港の入り口付近が停泊していた。海底の土砂を掘り起こし、港内の別の湾内に仮置きしているようだ。(※写真・上は、輪島漁港では岸壁などが隆起して、海面が沈んだように見える)
輪島市門前町の鹿磯漁港でも海底が隆起して、漁船が干上がった海底に乗り上げたままになっていた=写真・中=。この周辺は4㍍近い隆起が発生した(国土地理院・2月20日公表)。鹿磯漁港は日本海のスルメイカ釣り漁業の拠点の一つとなっていて、5月1日の解禁とともに県内外の漁船でにぎわうが、その様子も様変わりすることになる。また、漁港近くの海岸では海底が露出、魚介類や海藻などが乾燥して岩場が白く変色した異様な光景が広がっていた=写真・下=。
水産庁や石川県などのまとめによると、県内の69漁港のうち、60港で損傷が確認され、水揚げができない「使用不可」の漁港が輪島や鹿磯など奥能登を中心に18港におよんでいる。
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