自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆能登・二重被災地の冬景色~中~

2025年01月10日 | ⇒トピック往来

  強い冬型の気圧配置の影響できょうも北陸など日本海側で雪が積もりそうだ。午後6時までに予想される降雪量は多いところで石川県加賀地方で20-30㌢、能登地方30-40㌢となっている(気象庁)。前回ブログで取り上げた金沢と能登を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」の大雪では、道路を管理する国交省が昨夜午後9時から一部26㌔を通行止めとして集中除雪を行うようだ(地元メディアの報道)。ただ、地震で損壊した道路は車が通れるようになったものの、左右や上下の蛇行状態になっていて除雪もそう簡単ではないかもしれない。

   降雪の中で進む「豪雨仮設」の建築作業 テント村でくつろぎ 

  きのう見て回った二重被災地・輪島市の積雪の様子の続き。雪のため住宅などの公費解体の現場では作業を中止しているところが多くあった。逆に、作業があわただしく行われている現場もあった。同市杉平町でアパートのような木造2階建ての建築が進められていた。数えると12棟ある。工事看板を見ると、「西ノ草仮設住宅」とある。西ノ草はこのあたりの地名だ。そこで、現場を見守っていた作業スタッフに「雪の中たいへんですね」とさりげなく尋ねると、「能登豪雨の仮設住宅です」と答えてくれた。工事看板をさらに見ると、完成が「2月下旬」とあるので、あと50日ほどだ。着手したばかりの現場もあり、作業をはやく進めなければとの緊張感が現場に漂っていた。

  石川県危機対策課のまとめによると、9月の奥能登豪雨で輪島市、珠洲市、能登町を中心に1600棟余りの住宅が全半壊や床下・床上浸水の被害を受け、現在も140人が避難所での生活を送っている(10月7日時点)。さらに、豪雨で金沢などへ移った家族なども多くいるとみられることから、輪島市と珠洲市では「豪雨仮設」の設置を進めている。県の資料によると、輪島市では上記の西ノ草仮設住宅を含め4ヵ所で264戸、珠洲市では1ヵ所22戸、合わせて286戸の設置を準備している。

  輪島の市街地を抜けて千枚田の方向に向けて走行すると、「テント村」のようなものが見えてきた。旧「深見小学校」の校庭にインスタントハウスが8棟=写真・下=。中をちらりとのぞくと、畳が敷かれ、ダンボールベッドがあった。公費解体の作業員やボランティアらしき人たちが出入りしていた。地域の人たちが旧小学校と校庭のインスタントハウスを使って宿泊施設としていて、夕朝食もあるのようだ。テント村の近くには仮設の「居酒屋」もあった。近くにある「ねぶた温泉」という民間施設もことし7月から日帰り入浴を再開している。車の気温計に目をやると外気温は1度だ。体を温める方法はいくつかありそうだ。

⇒10日(金)午後・金沢の天気   くもり

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