自在コラム

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★岸田総理への警鐘 読売トップ「支持率24%は危険水域」

2023年11月20日 | ⇒メディア時評

   きょう20日付の読売新聞の一面トップは「内閣支持率急落24% 経済対策『評価せず』66% 本社世論調査」だ。調査は今月17-19日で行われ、前回調査(10月13-15日)の支持率34%から10ポイントも下落した。読売が自社の世論調査を一面トップに持ってきたのはそれ相当の理由があるからだろう。

   調査内容を読むと、不支持は前回49%から13ポイントも上昇し62%となっている。支持率の下降、不支持率の上昇の背景にある数値の分析も詳しく行われている。支持低下の要因は見出しにあるように、経済対策を「評価しない」が66%で、「評価する」は23%にとどまっている。経済対策が企業の賃上げにつながると「思う」が18%で、「思わない」が74%に上っている。所得税など4万円の定額減税も「評価しない」が61%に。その理由が、「選挙対策に見えるから」が44%、「家計の支えには不十分だから」が25%となっている。この数値から「有権者をみくびるな」との声が聞こえてくる。

   支持率の下降、不支持率の上昇の背景はこれだけではない。いわゆる「辞任ドミノ」。9月の内閣改造以降で、政務三役である文科政務官や法務副大臣、財務副大臣が相次いで不祥事で辞任している。岸田内閣の政権運営に「影響がある」かとの問いに、「大いに」23%、「ある程度」45%と計68%が「影響がある」と答えている。世論調査はさらに突っ込んで質問をしている。どのくらい総理を続けてほしいかとの問いでは、「自民党総裁の任期が切れる来年9月まで」が52%、「すぐに交代してほしい」33%だった。

   話は冒頭に戻る。なぜ読売は世論調査の結果を一面トップに持ってきたのか。メディア関係者の間では、読売の調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった。岸田内閣は「危険水域」だ。支持率は落ち始めると急カーブを描く。それが世論調査の怖さだ。読売の一面トップは岸田内閣に対する警鐘、と読んだ。

⇒20日(月)午後・金沢の天気   くもり時々あめ


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