長年金沢に住んでいると、「9月1日」はちょっと気持ちがたかぶる日だ。日本海側の底引き網漁は、資源保護のため7月と8月は禁止されていて、この日に一斉に解禁となる。きょうが初競りの日で、スーパーなどの鮮魚売り場がにぎやかになる。何しろ、地元で取れた魚なので新鮮さが違う。普段見かけることもない魚も並び、売り場では「底引き解禁だよー」と声が響く。
きょう午後、金沢の近江町市場をのぞいた。鮮魚店売り場では、水揚げされたばかりのカレイやハタハタ、子持ちの甘エビ、メギスなどが並び、多くの客が買い求めていた。ただ、見た目だが、例年より並んでいる量が少ない=写真・上=。
店員にさりげなく、「いつもの年より並ぶ量が少ないね」と尋ねると、「きのうは大雨だったことで漁を見合わせた漁船もあって、きょうの競りは入荷量が少なかった」と話してくれた。あす以降は天気が回復するものの、台風11号が北陸に接近すると底引き網漁にまた影響が出てくるかもしれない。
9月は実りの秋でもある。別の店をのぞくと、「加賀しずく」というナシが並んでいた。「お一人様2個まで」と強気の表示が出ている=写真・下=。よく見ると、1個980円の値段がついていた。
このナシは石川県が16年かけて開発したオリジナルブランドで、先月26日から出荷が始まり、初競りでは最も高級な「プレミアム」に1箱15万円の値がついたと地元テレビのニュースにもなっていた。1本の木に実らせる果実を6割ほどに制限し、1個当たりの養分を増やすことで、甘くて大きなナシに仕上げるのだという。出荷量が少ない分、限定販売となり、値段も高くなる。
この季節、魚やフルーツなど食べ物の話題にこと欠かない。そろそろキノコも。
⇒2日(金)夜・金沢の天気 くもり時々あめ
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