自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆「イチゴ農家の息子」 会見3213回の忍耐強さ

2020年09月15日 | ⇒ニュース走査

   自民党の新しい総裁に選出された菅義偉氏は官房長官として記者会見に臨んだ回数は3213回に達したと報じられている。長官在職日数は歴代1位であり、会見回数もトップだ(9月14日付・時事通信Web版)。

   官房長官の会見は平日の午前、午後の定例会見と、大規模災害発生時などの臨時会見がある。有名な会見は令和の新元号を発表した2019年4月1日の会見だろう。会見には記者からさまざまな質問が飛ぶ。メディア業界でも有名なのは菅氏の「天敵」とも呼ばれる、ある新聞社の女性記者だ。記者は厳しい質問を繰り返しぶつけると、菅氏は正対せずに「指摘は当たらない」「承知していない」とあしらう。この繰り返しが続く。

    きのうが官房長官として最後の記者会見だった。「BuzzFeed News」(9月14日付)がその会見のコメントを記事として起こしている。最後のコメントだ。「報道陣:かなり質問させていただいたと思うんですが、こうした国民の疑問をですね、長官はどう感じてこられたか。率直な感想を教えてください」「菅氏この記者会見というのはご承知の通り、全く限られた中で10数名の記者の皆さんから様々の質問にお答えをするわけですから、なかなか納得のいくような説明はできないのかなということを常に気になりながら会見をしてきました。現実問題をかなり反映している、そういう質問だったという風に思います。ありがとうございました」。3213回の記者会見、継続はチカラなり。それにしても忍耐強い。

    では、海外のメディアは菅氏のことをどう伝えているのか。BBCニュースWeb版(14日付)=写真=は「Born the son of strawberry farmers, Mr Suga is a veteran politician.」(イチゴ農家の息子として生まれた菅氏はベテランの政治家だ)と紹介し、人柄として「精力的または情熱的な政治家とは見なされてはいないが、非常に効率的で実用的だとの評判がある」と伝えている。しかし、菅氏は、安倍総理の代表的な経済政策である「アベノミクス」を継続すると約束したが、新型コロナウイルスによって引き起こされたパンデミックのもとでは、経済不振でさらに苦しむことになるだろうと予想している。

   それにしても、菅氏のことを日本のメディアは「農家の息子」と紹介しているが、BBCは「イチゴ農家の息子」と紹介しているところが、ヨーロッパ風ではある。あす16日の臨時国会で第99代の総理に指名される。

⇒15日(火)午前・金沢の天気   くもり


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