最近、ネットやメディアなどで「人間関係リセット症候群」という言葉がよく使われている。スマホのSNSで人と人が気軽につながれるようになった一方で、こうした人間関係に疲れてしまい、リセットして関係を断つことを指す。「症候群」と言っても、病気ではなく、人間が陥りやすい心理状態を表した造語のようだ。
表現としてふさわしくないかもしれないが、断捨離という言葉もある。不要な物を処分するだけでなく、物にとらわれずに生きていこうとする考え方だ。断捨離がちょっとしたブームになったことがあり、これまで交わしていた年賀状を「新年から止めます」と葉書をもらったことが何度かあった。確かに、何年も会っておらず、顔を忘れかけている人と年賀状だけでつながることに、どのような意味があるだろうかと考えると、この際、リセットしよう思うことは自然な流れかもしれない。SNSで人間関係の煩わしさを感じて断捨離しても、これも自然な流れだろう。
話は変わる。年賀状離れが進むかもしれない。総務省は18日、来年秋に定形郵便物の封書について、25㌘以下の84円、50㌘以下の94円をそれぞれ110円に値上げし、重量区分を1区分に統合する。また、通常葉書は現状の63円から85円に引き上げる方針を示した(総務省公式サイト「郵便法施行規則の一部を改正する省令案説明資料」より)。ネットやSNSの普及で需要が減少し、人件費や燃料費の高騰などが追い打ちをかけ、日本郵便の令和4年度の郵便事業が民営化以降初めて赤字となったことを受けての値上げの案。
値上げが来年秋となれば、影響を受けるのは令和7年の年賀状ではないだろうか。日本郵便は、令和6年用の年賀はがき発行枚数を14億4000万枚と発表。令和5年は16億4000万枚だったので、1年間で2億枚減少したことになる。値上げで年賀状離れにもますます拍車がかかりそうだ。
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