前週は「家事」を趣味とすることをお奨めしました。
ここで「家事労働」という言葉について考えてみたいと思います。
「家事労働」という言葉には、「家事仕事」を貶めるいやな響きを感じます。
<家事>に<労働>をくっつけた人はいったい誰なのでしょう。いつの時代のことなのでしょうか?
家事に相応しいのは、<家事><仕事>なのです。
「労働」という言葉を辞書で引いて見ましょう。
・労働・・・身体を使って働くこと。特に賃金を得るために働くこと。
「金銭の貴い田舎では、新たに一軒の家屋を建てるためにもある個人の一生を激しい労働に費さねば
ならないのである」 田山花袋[田舎教師]
・労・・・・物事に対して力を尽くす。一生懸命に骨を折る。
「労を厭わない」「苦労」「労苦」「徒労」に対して「功労」「労作」といった労に報いる言葉もありますが、
「対価を得るために仕事をする」という定義もあります。
<家事労働>には、苦役を伴うというニュアンスがつきまといます。
確かにつらい、厳しいことかも知れません。ですから、むかしお金持ちはそのための人を雇っていました。
特に対価を得るためにする仕事というところにひっかかります。
主婦の家事労働を、金銭換算・評価すればなんてことを言う、似非文化人がいます。だから、家事という仕事の
本来の姿が歪んでしまったのですね。生活に不可欠な仕事であるにも拘らず、できればしたくない事の代表格にな
ってしまった・・・本音か嘘か知りませんが、そういう主婦が多いことも確かです。
今では、掃除は 電気掃除機が
洗濯は 全自動乾燥洗濯機が
炊事は おこげも作れる万能電気炊飯器が、炎の出ない電磁調理器が、スチームオーブンが・・・
これらの、文明の利器が活躍して、労苦の部分は全く解消されました。
この上、「全自動和洋中献立コースつき万能調理器・食材調達機付代金カード決済ソフトOP」なんてものも
いずれは出かねません。
いや、実際出来てしまっているのです。 「食事・宅配サービス」
はまさにこれです。
生活から、衣・食・住をとってしまったらどうなるのでしょうか。
衣=洗濯 食=炊事 住=掃除 これを究極・最高の趣味と言わずして何でありましょうか。
それでは、次回は選手交代・主夫登場!