実際に家事をやってみてこれほど興味があることはない。
専業主夫として、選手交代して10年になる。
もちろん、交代せざるを得ない事情はあったのだが・・・。
交代するからには、消極的にやるのではなく、積極的にやってみようと考えた。
積極的にということは、楽しんでやることにであり、
創意工夫をすることであり、
こだわることであり、
極めることである。
そして、これを継続することである。
たとえば、物のいのちを大切に、何でも最後まで使い切ること。
歯磨きチューブ、マヨネーズ、ケチャップ、練りわさびなど、
チューブ入りのものは、最後の最後まで絞りきる。
歯磨きなどは、もう使い終わったと思ったときから、1週間分は残っている。
我家ではこれを、最後の最後まで絞りきるので「一滴絞り」と称している。
衣類でも何でも、捨てようかなと思ったとき、雑巾にでも何でも使って、
もう一度最後のお勤めをさせている。
この、一滴絞りが結構楽しい。
冷蔵庫の野菜は、切れ端といえども瓶に入れたり、ラップに包んでとっておく。
こうして、いつも在庫状況を確認しているから、古くして捨てることはない。
残り物を上手に調理する技を身につけることになる。
だから、新たな発展もある。創意工夫をすることになる。
食材の購入にもこだわる。
出来るだけ、その季節のものをもとめる。地元産をもとめる。新鮮なものを
もとめる。誠意のある店を探す。生産者から直接買えるものはその生産者を
探す。
素材から調理することにこだわる。
調理済み食品は買わない。豆腐、納豆、ハム、ソーセージなどは作れるかも
知れないが、そこまではしない、出来ない。お茶、コーヒー、紅茶もしかり。
しかしそのペット入り飲料は買わない。自分で淹れる。味噌・醤油・塩・酢
などの調味料は欠かせないが、調合済み調味料は使わない。たいてい、本来の
調味に不要な添加物・保存料を用いているから。出来るだけ自分で調合・調味
する。
養殖の魚も買わない、食べない。
養殖しなければ仕方ないものはともかく、
天然のものの方が美味しく、環境にも優しい。
このようにしてみると、天然・自然・本来・本物・本質が見えてくる
ようで これも結構楽しい。
年齢のせいかも知れないが、そうであれば年齢に相応しい 生活かとこれも納得
する。時間にゆとりのない若い世代には出来ないことだが、 今の自分には出来る
のでそうしている。
他人に迷惑をかけるこだわりはいけないが、こんな生活も 趣味にまで昇華す
ればこれまた楽しい。残念ながら、極めたと言えるほどのものはないが・・・。
つづく