Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 12/18 月と火星が接近

平成時代の☆撮りを振り返る

2019-04-30 12:00:00 | タイムマシンにお願い

まもなく平成が終わります。そこで、個人的なレベルの話ですみませんが、平成時代の☆撮りを振り返り、
お気に入り(自画自賛?)の天体画像・映像を7点ほど厳選して紹介します。

TSE1995_highlight.JPG

【皆既日食】
 口径7.6cm屈折望遠鏡+銀塩一眼レフカメラ(ネガフィルム使用)で撮影した画像をコラージュ合成
 タイ王国ナコンサワンにて1995年10月24日撮影

東南アジア方面で見られた皆既日食の撮影画像です。日食ツアーでタイ中部まで出掛けて撮りました。
第二接触、第三接触で2回見られるダイヤモンドリングと、皆既中の黒い太陽を多段階露光で撮って、
HDR合成した画像を並べています。皆既継続時間はたったの1分40秒ほど。この刹那にシビレましたね。
皆既日食は2度目の挑戦で観測/撮影に成功し、小さい頃からの念願が一つ叶ったのでした。

 

1996b2_960326.jpg

【百武彗星】
 24mm広角レンズ+銀塩一眼レフカメラ(ネガフィルム使用)
 群馬県神流町にて1996年3月26日撮影

最大光度0等級、見掛け上の頭部コマの広がりは満月の約4倍、見掛け上の尾の長さは80~90度以上と
全てが規格外のグレートコメット。日本人が発見した彗星ということで、大きな話題になりました。
生まれて初めて出逢った大彗星で、地球最接近の夜に見せた長大な尾には恐怖感を覚えたものです。

 

1995o1_970330.JPG

【ヘール・ボップ彗星】
 300mm望遠レンズ+銀塩一眼レフカメラ(ネガフィルム使用)
 山梨県小菅村にて1997年3月30日撮影

彗星核の直径は有名なハレー彗星を遥かに超える約50kmと推定。最大光度はマイナス1等級。
約1年半の長期に渡って肉眼で見えていた20世紀屈指の大彗星でした。
青色のイオンテイルと白色のダストテイルのコントラストが見事です。

 

leonids2001_28mm.jpg

【しし座流星雨】
 28mm広角レンズ+銀塩一眼レフカメラ(ネガフィルム使用)で撮影した32コマを比較明合成
 長野県小海町にて2001年11月19日撮影

流星雨は一生に一度見られるかどうかの稀少な天文現象で、幼い頃から見てみたいと思ってました。
1時間あたりの出現数が最大4000個以上に達したという流星の乱舞は一生忘れないでしょう。

 

【皆既月食】
 口径18cm反射望遠鏡+デジタル一眼レフカメラでインターバル撮影した画像を動画化
 東京都八王子市にて2011年12月10日撮影

東日本大震災が発生した年の師走に見られた皆既月食で、真夜中に最大食分を迎える好条件でした。
太平洋側は完璧な冬晴れに恵まれ、最初から最後まで思う存分撮影することができました。

 

【金環日食】
 400mm超望遠レンズ+デジタル一眼レフカメラでインターバル撮影した画像を動画化
 長野県八千穂高原にて2012年5月21日撮影

関東一円で観測可能な好条件の日食でしたが、当日は東京を含む南関東の天候が微妙だったため、
日食中心線から離れた場所まで泣く泣く遠征しての撮影でした。金環食観測の北限に近い場所で
撮影したため、残念ながら月が太陽面の端っこを通過することになってしまいましたが、
何とかリング状の太陽が捉えられました。

 

ヴィーナス富士_apg.jpg

【ヴィーナス富士】
 85mm望遠レンズ+デジタル一眼レフカメラ(スノークロスフィルター使用)
 静岡県朝霧高原にて2015年12月29日撮影

コイツは稀少な天文現象というわけではありませんが、周到な計画を立てて撮ったんで、
個人的に思い入れの強い画像です。2016年元日に当ブログの記事で公開しました。

ということで、撮影年代順に紹介してきました。
平成の初期は当然のことながら銀塩フィルムでの撮影だったんですよねー。
星雲撮影では長時間露光が当たり前の時代で、ひとコマの撮影に30分以上掛けることもありました。
撮影後は現像代が馬鹿にならなかったり、デジタル化するのにフィルムスキャナーを使っていて、
フィルムについたキズやらホコリなんかに悩まされたりしてたのを懐かしく思います。
それから、フィルムの銘柄によって天体写真適性が随分と異なっていて、
各社が気になる新製品を出すたびに試し撮りしていたこともありました。
リバーサルフィルムではコダックのエクタクロームE200、ネガフィルムではサクラカラー系が
赤い散光星雲の描写力に優れていたと記憶してます。富士フイルムではスーパーGエースシリーズが
天体撮影にはよく使われてましたけど、第四の感色層なるものを付加した新製品が出てからは
赤い星雲がほとんど写らなくなり、天体写真ファンからはソッポを向かれることになりました。
21世紀に入って、個人的にデジタル一眼レフカメラを本格的に使い始めたのは2004年からです。
これもそのままでは赤い星雲の写りがイマイチなんで、内蔵されているIRカットフィルターを
長波長透過特性を持つものに換装改造したものを使ってました。改造は天文機材販売店などが
主に請け負っていて、メーカー保証がなくなりますが、そんなリスクを負っても赤い星雲撮影に
適したカメラに仕立てたいという人は多く、今でも改造サービスを受けている店があります。
そんな状況を把握したのか、キヤノン,ニコンの2大メーカーが天体撮影用の純正モデルを製作。
自分も限定販売されたキヤノンEOS60Daに飛び付き、今もメインカメラとして使用中です。
現在はニコンD810Aが唯一の天体撮影用カメラとして販売が継続されてますが、
今やミラーレスの時代に変わりつつあるんで、メーカー純正の天体撮影用ミラーレスカメラが
いずれ出てくるんじゃないかと考えてます。価格によっては触手が動くかも?

さて、明日から始まる令和時代には、どんな画像・映像を撮れるでしょうかね。
まずは、しばらくご無沙汰となっている大彗星の出現に期待したいところです。