先月中旬に大彗星となって話題をさらった紫金山・アトラス彗星は
太陽からも地球からも離れていっており、現在の光度は7~8等程度
まで低下したらしく、もう小型双眼鏡でも観望困難で、尾が伸びた
姿を確認できるのは長めの露出時間で捉えた写真だけという状況に
なった模様です。個人的には9月下旬から約1か月に渡る観望/撮影で
充分に楽しませてもらいました。なお、最も素晴らしい姿を見せて
くれたのは10/13~15だったように思います。
この大彗星の出現を受けてICQ(国際彗星季報)のwebサイト内にある
明るく観測された彗星(1935年以降に出現した彗星)のランキングが
アップデートされたようです(下記リンク先参照)。
Brightest comets seen since 1935
peak m1が最大到達光度で、括弧付きのものは不確かさがあるという
意味ですが、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は0等まで達したと
され、惜しくもベスト10に入らなかったものの第12位にランクイン
しました。太陽観測機SOHOのコロナグラフ画像ではマイナス4.9等
まで明るくなったと推定されていますが、ランキングはあくまでも
地上からの観測結果に基づいて決まった順位ってことみたいです。
4年前の2020年に出現したネオワイズ彗星(C/2020 F3)も明るかったん
ですが、紫金山・アトラス彗星はそれよりも光度的には上回ったと
評価されたようです。21世紀に入ってからは第4位に相当するので
ここ四半世紀で屈指の大彗星と言えるでしょう。
ちなみに、新規でランクインしたと思われる彗星として、昨年の夏
に明るくなった西村彗星(C/2023 P1)が最大光度2.5等で第25位に、
2021年末に肉眼光度となったレナード彗星(C/2021 A1)が最大3.0等で
第32位に、今年の春に70年ぶりの回帰で明るく観測された周期彗星
ポンス・ブルックス彗星(12P)が最大3.8等で第48位に、それぞれ食い
込んでました。
ランキングが次に更新されるきっかけとなる彗星はいつ出現して、
どんな姿を見せるのか、楽しみに待ちたいと思います。
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